イルミ連載(娼婦タカラバコ | ナノ

 痕跡

バシッという音が耳に響いた

「気絶してんじゃねぇぞ!
また来てやるからな。
今度は客として金をやる。
楽しませろよ。」

縛られていた縄は解かれ
ベッドに1人取り残される

ふふっと口から笑いが漏れた

結局、利用しているようで
私は利用されているのだ

どれだけ優遇されていたても
所詮ただの女
使えなければ捨てるだけ
運が悪ければ殺されてくその辺の山にでも捨てられる

ベッドの上は血と精液、吐瀉物で汚れていた
くそ不味い精液を口に入れられ吐いたのだ

ここぞとばかりに殴ってきたあいつらは
本当に楽しそうだった

弱いものに当たり散らし
憂さ晴らしをして楽しいのか

ゆっくりと立ち上がり
備え付けのシャワー室で身体を洗う

チクチクと痛むのは切り傷だろう

顔以外は全て傷とアザで
埋め尽くされている

普通の女の子なら死んでいもおかしくない

だから私が選ばれたのだ

上質な精液を取り込めばこの傷も痛みも消える

ただ、今すぐにそれが手に入るわけではない

視界がぼやけていく
ゆっくりと体の力が抜け
目の前が暗くなった





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