イルミ連載(娼婦タカラバコ | ナノ

 昔の話

男達はたっぷりと遊んで満足だろう
こいつらの精液は私には合わない
強さの欠片もないやつのものなど
生ゴミでしかない

ボスの暴力よりも幼稚で単純なもの

「ほら!へばってんじゃねェよ!」

心の中で舌打ちをする
精液を吸い取るだけで
私は消して強いわけではない

戦闘力など皆無

こんなことになる前に
いつも精液を吸い取ってしまうが
こいつらは弱って動けなくなった女を
抱くのが趣味らしい

顔以外を殴られ
吐瀉物が出れば更に暴力を振るわれた

そして反応がなくなった私を抱くのだ

きっと下も血で濡れている
それも更に興奮させるらしい

痛みはもう感じない
目を開けてはいるが何も見えない
男たちの笑い声と息遣いだけが
遠くの方で聞こえている

頭に浮かんでくるのは
孤児院の頃の記憶

5歳から始まった性虐待

年端もいかない少女を集め
院長の選定が始まる
院長が気に入ればこのまま施設で暮らす
気に入らなければ金持ちの少女趣味のやつらに
大金で売られていく

どちらも地獄だ

私は院長に気にいられ
人形になった
院長の部屋で綺麗な服をきて
好きな時に抱かれる

他にも女の子達はいたが
ひとりひとりときえて
最後は私ひとり

私は抵抗も媚びもしなかった
院長も暴力的な人間だった
それを怖いと泣く女のコ達を
横目に私は黙って目を閉じていた

いなくなった女の子達はきっと売られていった

15歳になった私を院長は飽きもせず抱き続けた
その頃には自分の能力に気づき
操れるようになっていた

疲れさせた院長を寝かせ
夜の孤児院を徘徊する

何も知らない子どもたち
全てを知っているのに
何もしないシスターたち
毒されたこの世界が急に怖くなった

初めて自分の意思でここから逃げようと思った

そのために出入りできる男を捕まえ
身体を使い虜にし、私を信じきっている院長を出し抜き
荷物と一緒にでていくことが簡単にできたのだ





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