◎ いないはずの
「ミーヤ、そろそろ店を辞めたらどうだ?」
情事後のベッドでクロロが
優しく頭を撫でてくれる
首を締められた痕も薄れ
店に出れるようになった
「んー」
「借金があるわけでもないだろ?
身請けが必要ならオレが金を出してやろうか?」
度々いろいろな客から言われる言葉
「いらない!いらない!
今の生活でいいの。
上質な精をもらえて
それにお金までもらえるのよ?」
「・・・それでいいのか?」
「うん。
この店で働いてるのは自分の意思。
だから、クロロ。
これからもよろしくね。」
「あぁ。
困ったら言ってくれ。
オレの仲間たちもお前なら歓迎するだろう。」
「ふふ、ありがと!」
◇◇◇◇◇◇
昼から一緒にいたクロロと別れ
車に乗り込むと次の客の元へと行く
「ミーヤさん。お疲れ様です。」
「お疲れさま。
今日は終わり?」
「今日はあと1件です。
長時間なんで頑張ってください。」
「はーい。ありがと。」
私のお客は長時間が多い
半日、1日と貸し切ってくれる
何人とも会うより
ゆっくりできるので
この働き方が私には合う
「で、次は誰?」
「はい。次は・・・」
◇◇◇◇◇◇
「ヒソカ!」
「久しぶり◆」
いつものホテル
最後の客はヒソカだ
なんだかんだ会うのは久しぶりだ
「イルミがキミを独占してるから
なかなか会えなくて寂しかったよ◇」
「私も寂しかったー。
浮気してない?」
「しないよ◆」
お決まりの台詞
ヒソカも私もお互いが
本気じゃないってわかっている
性欲を発散できる相手
精とお金をもらえる相手
利害の一致
「ねぇ、ヒソカ。
なんでイルミを紹介したの?」
「おや◇
珍しいねぇ。ミーヤがボクの前で
他の男話なんて。
イルミのこと、気に入ったの?」
「イルミは今はもう私のVIP客の1人よ。
ただ疑問に思っただけ。」
「うーん、珍しくイルミが
ボクに頼み事してきたから
気まぐれで引き合わせただけ◆
こんなにのめり込むなんて思ってなかったけど◇」
「ふぅん。そっか。」
ヒソカの首に手を回し
キスをねだると優しくキスをしてくれる
「ねぇ、オレの話もっとしないの?」
いないはずの男の声に動きが止まる
ヒソカの口角が上がる
きっといることに気付いていたのだろう
「イルミ、今日はボクが
ミーヤの客なんだけど◆」
「オレが予約しようとしたのに
ヒソカにとられたんだから
別に来たっていいよね。」
イルミの言ってることご全く理解できない
「イルミ、ルール違反。
帰って。」
「別にヒソカの相手してもいいよ。
ミーヤの気持ちは
オレのモノだってわかってるし。
これは仕事だもんね。」
「ほら、イルミもこう言ってるし
続きをしようか◆」
「は?、ちょっ、んんっ!」
強引にキスをされる
突き刺さるような視線がいたい
ヒソカもイルミも何を考えているか分からないが
ヒソカはこの状況を楽しんでいるだけだろう
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