イルミ連載(娼婦タカラバコ | ナノ

 闇

「ミーヤ、お疲れ様!」

「オーナー・・・、貸切とかやだ。」

「イルミ様はVIP客よ!
金払いもいいし。」

まだ延長するというイルミだったが
なんとか押しとどめて帰ってこれた

オーナーに文句を言うが
聞く耳は持たない

ため息をついていると廊下の奥で
女の子の叫び声が聞こえくる

「いや!出して!!」

袋の中に入れられた女
声でこの店の子だとはわかるが
誰だかはわからない

「・・・あの子は?」

「客をとらないって文句ばかりだから
売り払おうと思って。
皆ミーヤみたいな子だったらいいのにねー」

なんでもないようなオーナーに
ぞくりと鳥肌が立つ
オーナーにとっては店の女の子は
モノにすぎない
その中でお金を運んでくる私は
気に入られてるだけのモノだ

「フフ、ミーヤはそんなこと
気にしなくていいわ。
さっ、ゆっくり休んでちょうだい。」

「うん。そうする。」

オーナーに拾われた事は後悔していない
それは嘘ではないが
こういった場面はいまだに慣れはしない

部屋に帰りすぐにベッドに横になる
イルミと一緒にいては
意識を失うくらいでしか
睡眠を取ることはできない

起きている時は繋がっている
食事も上に乗らされて挿入れられたまま
とらされた
食事なんかいらないのに
自分の手から食べているミーヤが見たいと
言われてしまったから仕方がない

「つっかれたー」

1日休みを貰えたが
この疲れが1日でとれるとは
到底思えないほどに
体が鉛のように重いし
お腹もいっぱいで吐きそうだ

廊下から聞こえる女の子の悲鳴が消えた
きっとどこかに連れていかれたのだろう
客に売られるのか、臓器を売られるのか
良い運命でないことは明らかだ

しかたない、と思ってしまう自分は
この生活に慣れてしまったのだろう



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