イルミ連載(娼婦タカラバコ | ナノ

 謎

不機嫌に眉を寄せる私を膝に乗せているのに
今にも鼻歌を歌うんじゃないかというほどに
機嫌が良さそうだった

表情はないのにわかるのは何故なのか
自分では分からない

店の運転手はオーナーに
粗相のないようにと言われているのか
緊張しているようだから
イルミの機嫌の良さには気がついていない

「ミーヤ、疲れた?
好きでない男に仕事とは言え抱かれたしね。
オレが上書きしてあげるから。」

「・・・今日は疲れたからもういらない。」

「照れなくていいよ。」

話が噛み合わないことにため息をつきながら
もう放っておくことにした
それを良しと捉えたのか顔の色々な場所に
イルミはキスを落とす

伸びてきた手は服の中へと
侵入してこようとしているのに気が付き
そっと手を止める

「イルミ、ここでは嫌。
運転手もいるのよ?」

「針でも刺す?」

意味はわからないが穏やかではない雰囲気だ

「・・・いらない」

「じゃ、触っていいよね。」

制止していた手を離すと
嬉々として進めていく

「ミーヤってどこに触れても
気持ちいいんだけど。
なんか能力なの?
あー、いい匂い。
綺麗。可愛い。」

頭のネジが外れているかのように褒めてくる

◇◇◇◇◇◇◇

車の中はお触りだけで済み
イルミに連れられてきたのは
やはり高級なホテル

やっぱりお金はあるらしい

部屋の中を観察していると
手を引かれソファへと座った
当たり前のように膝の上に座らされた

「ミーヤ、オレに嘘ついてるよね?」

「嘘・・・?」

「年齢」

「え・・・?あ。」

年齢を偽っていたことを思い出した
嘘をついたのは悪いのかもしれないが
勝手に調べられたことに腹が立った

「勝手に調べたの?」

「うん。好きな人のことを
知り合いと思うのは当然でしょ。
ミーヤが知らないミーヤのことまで
オレは知ってる。」

私の知らない私

「どういうこと?」

「それはまだ秘密。
ミーヤと久しぶりに会えたんだから
触らして。」

これ以上は教えてくれないさそうなので
口を閉じるが
車の中で散々触ったくせに何を言っているのか

「今日は2日。
ミーヤの時間を買ったよ。」

「2日・・・?」

「うん。
オレも仕事詰めて2日オフをとるの
苦労したよ。」

「まって。
時間とかじゃなくて・・・。
金額すごいでしょ?
大丈夫なの?」

この2日の予約は埋まっていた
それに対する保証金もとられたはずだ
100万ジェニーは軽く超えるだろう
そしてこのホテル

この男は一体私にいくらつぎ込む気なのか
そっと頬をイルミの手が撫でる

「ミーヤといられるならあんな金、
たいしたことない。」

ぞわっと全身の毛が逆立った気がした




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