07隠し事はしないで [ 8/43 ]

食事後、ツボネが念について
教えてくれるのが日課になっていた
この能力はイルミ様とツボネだけが知っている

「ニノ様は飲み込みが早くて
教えがいがございます。」

「ありがとう。
でもこの能力だと
イルミ様の仕事、手伝えないよね。
もっと、役に立つ能力がよかった・・・。」

「ニノ様、何をおっしゃってるのですか!
とても素敵な能力でごいます。
飾ってある花をも気にかけている優しい
ニノ様にピッタリですよ。」

「ありがとう。
もっと、能力を使いこなせるようにがんばる。」

「ええ、ええ。
ニノ様ならできますよ。
・・・それでは、ここで下がらせて頂きます。」

「うん、おやすみなさい。」

ツボネが下がり数分経つと
イルミ様が帰ってきた

「ただいま」

「おかえりさい!イルミ様!」

ツボネはイルミ様が帰ってくるのが
わかるのだと思う
帰ってきたイルミ様に抱きつくと
いつものように優しく頭を撫でてくれた

「今日ね・・・」

「ほら、話は聞いてあげるから
お風呂に入ろう。」

「はーい!」

身体、頭を洗い終え
お湯に浸かりながらイルミ様にもたれかかる

「で、話したかったことはなに?」

「あ、今日ね。
部屋にキルアが来たよ。
イルミ様、弟がいたんだね!」

「あぁ、いるよ。」

「知らなくて吃驚しちゃった。
あと、怪我してたから治してあげたの。
能力とかは何もわかってないみたいだったから
わからないと思うけど・・・」

「うん。キルアにはまだ念については
教えない方針だからね。」

「イルミ様の弟だから助けてあげたけど・・・
怒ってる・・・?」

いつもより声が低くて
恐る恐る見上げるが
イルミ様はこちら見ない

「ニノが自分から
話してくれたから怒ってないよ。
ニノが優しいは知ってるけど
あまり、キルアに構わないでいいよ。」

「・・・ごめんなさい。」

「怒ってないよ?
ただキルアには友達なんて必要ないしね。」

「うん・・・」

「ニノ」

顔を下げると顎を掬われる

「イルミ様、」

「お前はオレしかいらない。
わかる?」

「はい・・・」

昔から言われ続けている台詞は
ストンと入ってくる
水で張り付いた髪を優しくとってくれる
綺麗な顔が近づいてきて目を瞑ると
唇を柔らかいものが触れ、
そのまま舌が入ってきて
口の中をなぞられると頭がぼうっとする

「ん、ぅ・・・」

「ほら、鼻で息して。
これは練習だよ。」

「は、い」

頭が惚けた状態で言われた通りに
鼻で息をするその間も角度をかえ
唇を塞がれていた

やっと、離れていく頃には
自分で立っていられないくらいで
イルミ様に体重を預けていた

イルミ様は小さく笑う

「ニノはまだ練習が必要だね。」

「はい・・・。」

「立てないでしょ。ほら、掴まって。」

言われた通りに首にしがみつきお風呂を出る
その日は拭くのも、服を着替えるのも
イルミ様がしてくれてベッドに連れていかれると
そのまま寝てしまった


◇◇◇◇◇

寝入るニノを頬杖をしなが見る

この部屋にはいくつとカメラがあり
ニノが部屋にいるあいだは
オレに映像がおくられるようにしてあり
キルアが入ってきたのも知っていた

キルアが入ってきたことを
隠すわけがないとは思っていたが
正直に話すニノは
思い通り、素直に成長してくれていて
愛おしくなる

キルアがオレの部屋に侵入したのは
褒められたことではないが
もう少し様子を見てもいいかもしれない

「ニノ、お前はオレだけのものだ。」

そう耳元で囁き額にキスを落とした

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