06出会い [ 7/43 ]

学校が終わり今日も1人で部屋にいる
念能力が使えるからといって
特に普段と生活が変わることはなかった
ただイルミ様の過保護ぶりが増したくらいだ

あれから舌を入れられるようなキスはしていない
あれは何かの間違いだと自分に言い聞かせる
あのキスは映画でみたことがあった
好きあっている男女がする口付けだ

ぼんやりとしいると扉が開く音がした
ノックもなしに執事が入ってくることがない
イルミ様は扉を開く時に音を立てたりしない
初めての事態に心臓がドクドクとうるさい

「兄貴の部屋にしては
なんか女みたいな部屋だな。」

聞こえてきたのは幼い声
兄貴、とはイルミ様のことだろうか?
机の下から抜け出すと少年の姿を確認する
銀髪の髪の毛に色白の肌
近づいていきたまらずに声をかける

「あなた、誰?」

「うっわ!お前なんだよ!!」

少年は驚いて目を見開く
つり目なところはイルミ様に
似ている気がした
後ずさる少年を不安にさせないようにと
自分から名乗った

「わたしはニノ、10歳よ。
あなたはイルミ様の弟?」

イルミ様からは家族のことは聞いてない
この部屋からは出ることを禁じられているし
執事もゴトーとツボネしか知らない
家族もいるのはわかっていたが
何も言わないイルミ様に習って
わたしも何も言わなかった

「そうだ。オレはキルア。6歳だ。」

4つ下の少年は幼いのに
もうどこか大人びていた
そして身体はところどころ怪我をしていた

「怪我してるの?」

「これ?これは訓練の傷。
全然痛くねーけどな。」

「訓練・・・?わたしにはわからないけど、
とりあず怪我治してあげる。」

「は?」

イルミ様の弟だ
怪我を治してあげてもいいだろう

膝をつき怪我の箇所に触れて傷を癒す

「すげえ・・・その力何?」

「うーん。よくわからないの。」

念能力について説明してあげたいが
自分も聞いたばかりで上手く説明ができない
答えが不満そうだが特に追求してくることもない

あまり深い傷はなかったので
すぐに治すことができほっとする

「はい、できた。」

「サンキュ!
ニノはさ、兄貴の部屋で何してんの?」

「ここで暮らしてるの。」

キルアはその言葉に大きく口を開けた

「じゃあ、ニノはオレの姉貴?」

思いがけない問いかけに
首を大きく横に振り否定する

「ち、違うよ!
わたしは親が死んじゃったから
イルミ様がお世話してくれてるだけなの。」

「なんだ・・・姉貴じゃねぇのかよ。
まぁ、ニノは暗殺者って
感じじゃねぇもんな。」

「普通に住まわせてもらってるだけだもん。
人なんて殺せないよ。」

「オレの家族って変な奴らばっかでさー」

そこから家族構成、仕事の話をしてくれる
大人びた印象だったが笑うと年相応で
可愛らしい少年だった

どれくらい時間がたったのか
夕食の時間だとキルアは帰っていく
また来る!と言い残して

初めてこの家の人と話せたことに
少し浮かれ気味の心を落ち着かせ
運ばれてきた食事を取り
イルミ様の帰りを待つ

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