03君との日々 [ 4/43 ]
伸びた髪をイルミ様が
毎朝、ブラシで梳かしてくれる
ウェーブがかかった髪も指がするりと通る
「はい、できたよ。」
鏡に映る自分は今日も
綺麗な服を着て座っている
「ほら、ニノ学校に遅れるよ。」
「・・・わかった」
10歳になった
6歳の頃から学校に行かしてもらってる
「ニノ、最近元気ないよね。
何か悩み事?」
「ううん。何でもない。
イルミ様ぎゅってして?」
「いいよ。おいで。」
ぎゅっと抱きしめてもらったあとに
行ってきますのキスをして
ベランダへと出るとツボネが既にいた
「さっ、行きますよ。ニノ様。」
ツボネはすぐに飛行機のような姿に変わる
これがツボネの能力らしい
ヘルメットとゴーグルをつけハンドルを握る
唯一運転できたのがこの形だった
何を原動力てして動いてるかはわからないが
ツボネと一緒に空を飛ぶのは好きだ
◇◇◇◇◇
「ニノ様の才能は素晴らしいですね。」
控えていたゴトーが出てくる
「誰にも言うなよ。
ニノは何も出来ない女の子の立ち位置で
いいんだから。」
「承知しております。」
ゴトーは深く頭を下げて出ていく
ニノは既に念を習得している
息をするのと同じように
使える人間を初めて見た
ニノ自身は気がついていないがそれでいい
ニノが着ていた服を手にして
鼻に当て大きく息を吸い込むと
あの甘い匂いがする
幼い頃から発している香りは
自分を誘惑しているのだろうか
匂いを堪能していると
テーブルに置いている携帯が音を鳴らす
「何?わかった。すぐいく。」
今からキルアの訓練なのを思い出し
ニノがいたこの部屋の空気を
もう少し吸っていたいが腰を上げた
◇◇◇◇◇
「それでは、ニノ様。
またお迎えに上がりますので。」
「いつもありがとう。
ツボネさんも忙しいのに。」
「これくらい平気でございます。
ニノ様はお体はお辛くないですか?」
「わたしは乗ってるだけだもの。
しんどいはずないよ。」
首を傾げればツボネは目を細めて頷く
「やはり、ニノ様には才能がおありですね。
そんなニノ様を側で見ているのは
とても喜ばしいことでござます。
さっ!ニノ様。いってらっしゃいませ!」
小さく手を振り重い足をなんとか
動かしながら校門をくぐる
[*prev] [next#]