42 緩やかに [ 43/43 ]
ニノが寝ている間に準備を進め行かなければならない
ニノには落ち着くまで薬で眠っていてもらう
別宅にニノを住まわすなんて
危険が及ぶようなことはもうやめた
他の家族に会わせるのも嫌だ
ゾルディック家のこの広い土地に小さな家を建てた
小さいが防犯もしっかりしているし
なりよりミケに守らせるようにした
それがなりより安心だ
親父の説得は簡単だ
簡潔にニノの能力を伝えれば
納得してくれる
遺伝子的には問題ないと判断された
ただ、母さんはうるさい
親父に言われて黙っているが
目の届かない所でどうなるかわからない
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
ぷつりぷつりと記憶が途切れていて
眠たくて眠たくて仕方がなかった
目を開ける時にはイルミ様がいてくれて
安心してまた夢の中に引き込まれていける
「ニノ、目を開けて」
イルミ様の声で目を開く
いつもすぐに眠くなってしまうのに
今日は眠くならずに
目を開けていることができる
「イルミ、さま」
久しぶりに出した声が掠れている
「ニノ、これからオレの言う話をよくきいて。」
漆黒の瞳が真っ直ぐに見つめてくる
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