34嫉妬 [ 35/43 ]

外に出ない肌は白くなっていた
久しぶりの外は日差しが眩しい

近くに公園があって
そこに散歩にきた

与えてもらったワンピースを着て
少しだけヒールがあるパンプスを履く

イルミ様を見ると女性は
だいたい振り返るか見とれている
整った顔とミステリアスな雰囲気が
きょうみをひくのだろう

少し嫌な気分になりギュッと
イルミ様の腕にしがみつく

「ニノのこと、みんな見てるよ。
本当は晒したくないけど
たまには外の空気も吸わないとね。」

「みんなイルミ様を見てるの。
なんだか、モヤモヤする。」

その言葉を聞いてピタリと
イルミ様の動きが止まった

「イルミ様?」

私の腕を離し
グッと顔を上に向かされた

「ニノ、それはね。
嫉妬って言うんだよ。
好きな人が他の人に見られたりするのは
殺したくなるほど嫌だよね。」

「は、い・・・?」

殺したくなる、という感情はわからないが
嫌だと思ったことは確かだ

「オレはそれをずーっと思ってきたけど
ニノもその感情が芽生えたんだと思うと
すごく嬉しい。」

周りに人がいることも気にせずに
唇を塞がれた

舌を奥まで入れられ
立っていられなくなるほどに
長く深い口付け

「んぅ、イル、ミさま・・・!」

皆が見てる、とわかっていても逆らえない

「あぁ、ニノ。
今すぐここで抱き潰したい。」

唇が離れギュッと抱きしめられる

それを受け入れ私も抱きしめ返す

さっきまでイルミ様を熱っぽい目で見ていた
女性達は驚きと羨ましそうな目を私に向ける

「ニノは何があってもオレのもの。
離れたりすることは許可しないから。」

「ん、離れたいなんて
絶対に思わない。」

そっと離れベンチに向けて指さした

「ニノ、ベンチに座っといて。
飲み物買ってくる。」

「わかった。」

急にどうしたのだろうかと思ったが
いわれたままにベンチにすわる

イルミ様がどこかに行ってしまい
ぼうっとしていると
男が近づいてきた

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