33転機 [ 34/43 ]

「あっ、んぅっ・・・」

ぐちゅぐちゅと水音、
肌と肌がぶつかる音が響く

ピリリリと枕元にある携帯が鳴る

「なに?」

腰を打ちつけながらも平然と電話に出る

我慢しなければいけないと分かりつつも
声が口から漏れそうになった時に
大きな手で口を塞がれる

「んん・・・!」

「え?キルアが?
ふぅん。ま、行先はわかるよ。
最近ハンター試験について調べてたし。
わかった。じゃあね。」

乱暴に枕元に携帯を戻すとやっと
口から手が離れる

「ニノ、電話中に声出したらダメって
教えたよね?」

「ごめ、なさいっ・・・!あっ!」

胸の先端を摘まれ
痛いはずなのにそれすら敏感に体が
悦びを感じ取る

「ニノの可愛い声はオレだけのもの。
他のやつに聞かせるなんてダメだよ。
たとえ、家族でもね。」


さらに激しく腰を打ちつけられ
頭が真っ白になった

◇◇◇◇◇

「ん・・・」

いつの間にか気を失っていたらしい
体はいつも通り綺麗になっていた

「あ、ニノ起きた。」

横で本を読んでいたイルミ様に頭を撫でられる

「イルミ様・・・」

「キルアがさ。
母さんを刺して家出したんだって。」

「え?!大丈夫なの?」

「母さん自体は全然平気。
なんなら暗殺者らしくなったって
喜んでたくらい。」

「よかった・・・」

「ニノのこと、毛嫌いしてるのに
心配するなんてニノは優しいね。」

「・・・嫌われてても
イルミ様のお母様だから
心配になるの。」

嫌われてるのはわかっている
たまに出くわすと
ゴミを見るような目で見てくるか
いないものとして扱われる

「ニノ、ニノが気にするのは
オレだけでいいんだから。
ほかの誰のも事も心配しなくていいよ。」

「怪我を治した方がいい?」

「いらない。
ニノの能力伝えてないし。
必要ないよ。」

ぴりっと空気が張り詰める
苛立っていることを肌で感じた

「出過ぎた事を言ってごめんなさい。」

大きな手が顔を包み額にキスが落とされる

「この話はおしまい。
ニノ、久しぶりに買い物でも行こうか。」

数ヶ月ぶりの外出だ
キキョウ様も心配だが久しぶりの外出が嬉しかった

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