01オレノモノ [ 2/43 ]

暗殺の依頼を受けて親父と一緒に出向いたが
念能力者の夫婦の暗殺は思ったよりも簡単だった

依頼内容を見ればただの逆恨みだろうが
こちらには関係のない話だ

夫婦がいたら部屋の奥に扉があった
扉を開ける予定はなかったのに
何かに促されるように扉を開けた

ピンク色の壁紙は子どもっぽく
その部屋が一目で幼い女の部屋だとわかる

部屋の中は花のような香りがただよう
香水など強い匂いは嫌いなのに
この匂いは嫌じゃなかった
真ん中にあるベッドが小さく盛り上がっている

近づいてみると
ベッドの中にはすやすやと眠る幼子
金髪で長い髪の毛は
少し癖があるのか毛先がくるっとしていた
3歳くらいだろうか

寝ぼけたのか薄らと目を開け
目が合ったような気がしたが
すぐに閉じてしまった

青色の瞳

自分の中で名前のない感情が
溢れでてきた瞬間だった

コレはオレのモノになるために生まれてきた
素直にそう思った

「親父ここに子どもがいるんだけど。」

小さな身体を抱き上げ親父に見せる

「子どもだと?
それはリストにはない。捨て置け。」

「これ、リストにないんだよね?」

「あぁ。」

リストに名前があれば殺さなくてはいけないが
ないのなら、やはりこれはオレのモノだ

「よかった。
じゃぁ、こいつオレがもらっても問題ないね。
オレの報酬はこれでいいや。」

「そんなものどうする気だ」

「オレのモノにする。
この家の子どもならそれなりの使い手になるでしょ。」

「・・・キキョウがなんて言うか。」

「じゃ、連れて帰るから。」

シーツに包み抱き直した
親父と屋敷に火を放ち自宅へと帰った

家に帰り母さんに子どもを見せ
この子どもが将来有望だということ
どうしても欲しいと説明すると

「執事候補なの?
優秀そうならいいけど。
ちゃんとゾルディック家に相応しく育てなさいね。」

と思ったよりもあっさりとしていた
執事にしたいわけではないが
何も言わずに部屋へと帰る
すぐにこの子を自分の部屋で見たかったのだ




[*prev] [next#]
top
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -