25サヨナラ [ 26/43 ]

帰ってきてから訓練が終われば
毎日遊びに来てくれるキルア

部屋でゲームをしたり
ダラダラしているだけだけど
キルアも楽しそうにしてくれているから嬉しい
膝の上に頭を乗せたり甘えてきている
弟がいればこんな感じなのかもしれない

「キルア、部屋に戻りなよ。」

「また明日な!ニノ!」

イルミ様が帰ってくると
強制的に部屋から連れ出されてしまう

◇◇◇

「ニノ、キルに甘すぎじゃない?
ていうか、触らせすぎだよね。」

「そうかな・・・?
弟ってそんなものかと思ってた。」

「違うね。」

顎に手をあて何か考えている
しばらくするとポンっと手を叩いた

「ニノ、明日から別のところに住もう。」

「私だけ・・・?」

「もちろんオレもだよ。」

その言葉にほっとする
追い出されてしまうのかと思った

「じゃ、準備してくるから。」

イルミ様は携帯を手に取り部屋から
出ていってしまった

コンコンと窓の方から音が聞こえた
風で音がしたのかと思い首を傾げなら
窓に近づくと窓の外にいたのはキルアだった

「な、なにしてるの?!」

[なぁ、出ていくのかよ?]

この部屋の窓はあかない
窓越しで話をするしかない
何故窓からくるのだろう

「イルミ様がそうするなら
言われた通りにするの。」

[オレと離れんのはいいのかよ]

拗ねたような言い方に思わず笑ってしまう

「寂しいよ。
でも、私の1番はイルミ様だもの。」

[なんでだよ!?
ずっと飼いなされていいのかよ!]

「何を怒ってるの・・・?」

[な、オレがいろんな世界見せてやるよ!
天空闘技場でいろんな奴がいた。
お前が思ってるより世界は広いんだぜ?]

まくしあげるキルアになぜだかわからなくて
頭が混乱していると
顔の横を何かがすり抜けて
パンっと目の前の窓が割れる

「キルア!!?」

割れたガラスは綺麗に外側に割れ
キルアに降りかかる

「キル、何を怒ってるのか
オレにも教えてくれる?」

「兄貴・・・!
ニノをずっと閉じ込めてどうする気だよ!」

「閉じ込める・・・?心外だね。」

見なくてもわかる怒っている
ドス黒いオーラが私を通り抜けて
キルアへと向かっていくと
素早く後ろへと下がる

「ほら、何もできないでしょ。
お前は何がおきてるかも分からない。
分かるのは恐怖だけ。」

「くそ・・・!」

「ニノをお前のそばに置いておくのは
教育上よくないね。
跡継ぎなんだからしっかりしなよ。」

オーラを出したままだとキルアは動けないのか
汗をかき歯を食いしばってた

「本当は明日に出るつもりだったけど
こんな部屋でニノを
寝かすわけには行かないしもう出発するよ。」

「・・・うん。」

「ほら、ニノ。
キルに『サヨナラ』は?」

「キルア、今までありがとう。
さよなら。」

こちらをにらみつけたまま
なにも言わないキルアの横を
イルミ様の後ろについて通り過ぎた



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