23増えていくコレクション [ 24/43 ]

コレクションの部屋で今日の映像を見る

ニノが怒ったと思われる瞬間に
念が男子生徒の腕にまとわりつくと
そいつの腕が干からびていく

これはその場所だけ老いた
という方が正確だろう

パソコンから顔を上げ
新しくコレクションに加えられた腕を見る

ニノが初めて攻撃的な念を出せた記念品だ
これをコレクションに加えない訳にはいかない

優しいだけの少女が人を憎み
攻撃的になった初めての瞬間だ

その場に立ち会えたことに
心の底から喜びを覚える

修行もしていないのに
自然にこんな力があるなんて
とても素晴らしい

つくづく良いものを手に入れたと思う

部分的な場所だけ若返らすことも
できるのかもしれない

女が喜びそうな能力だ

「誰にもつかわせないけどね」

パソコンの電源を落とし
ニノが眠る部屋へと戻る

◇◇◇◇◇◇

「ニノ様、起きれますか?」

「ん・・・、ツボネ・・・?」

「起きれましたら、ベッドで結構ですので
お食事を。消化が良いものをお食べ下さい。」

体が重たい
起き上がるのも億劫になるほどに

「なんだか、体が変なの・・・。」

「昨日の疲れですよ。
今日はゆっくりするように、と
イルミ様もおっしゃっていましたから
今日はもうずっと寝ていましょうね。」

ニコニコとしたツボネは
なんとなく嬉しそうだった

「どうして嬉しそうなの?」

「優しいニノ様も怒るのだと。
ちゃんと感情が育っていて嬉しいのです。
この家のお子様は感情に乏しいとこが
ございますので。」

「そうなの・・・?」

ふわふわとしながらも急に
昨日の出来事がはっきりと思い出された
男子生徒達の恐怖で強ばった顔

「ツボネ!あの子はどうなったの?
私、なにか変なことをしてしまったみたいなの!」

「ニノ様は、もうお忘れください。
あの出来事の処理は終わっています。
あれは罰を受けて当然です。」

スっと冷たい空気に変わる

「ニノ様を傷つけて・・・。
もっと早く気がつけばよかったです。
お助けできず申し訳ございません。」

「ツボネのせいじゃないわ!
私は平気だったもの!
叩かれても全然痛くなかったし。」

「それはニノ様が強いからです。
今日はゆっくりしてください。」

この日は1日、ベッドで過ごした

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