17勇気をもって [ 18/43 ]

いつもと違う感覚に目を覚ます
見慣れない天井を見て
イルミ様とホテルに
泊まっていたことを思い出した

初めてのパーティーで緊張したのか
それともはしゃぎすぎたのか
少し身体が重たい

ドレスから大きめのガウンを着ている
イルミ様が変えてくれたのだろう

ポンと頭の上に笑み手が置かれる

「ニノ、起きた?」

「イルミ様、おはようございます。」

既に朝食が用意されている
テーブルへと促される
ガウンのまま食事をするなんて
はしたないと思うのだが
イルミ様は気にしていないらしい

パンとスープ、サラダとシンプルで
昨日はパーティーでこってりしたものを
食べていたのでこのメニューは嬉しい

スープを一口飲むと
優しい味が口に広がる

「おいしい!」

「そ、よかったね。」

パンもサラダも美味しいくて
どれも高級な食材が使われていることがわかる

食事が終わりに差し掛かると
イルミ様が口を開いた

「ニノ、この後はまた
パーティーがあるけど
オレの仕事で出るだけだし
適当に過ごしてて。」

「はい!」

食事を終えると
昨日とゾルディック家の
使用人が現れてまた支度を手伝ってくれた

今日もレースをふんだんに使ったドレスは
お人形になった気分になる
まるでお姫様のようだ

「ニノ、可愛い。」

額にキスをされこそばゆい気持ちで
照れ笑いをしてしまった

◇◇◇◇◇

会場は昨日よりも広く大きい
華やかなのにあまり上品ではない印象を受ける

「今日は政治家達のパーティーだから
こんな飾りなんだよ。
ゴテゴテして下品だね。」

心の中を見透かしたように
イルミ様が説明してくれた

子どもは自分1人だった
おじさん達の視線は好奇心と
そして得体の知れない寒気がするものがあった

「ニノ、声をかけられても
ついて行っちゃだめだよ。
ゾルディック家の使用人を付けておくけど。」

「うん。ついて行かない。」

1時間ほどすると仕事に行ってくる、と
イルミ様はどこかへ行ってしまった
少し心細いがどこかで使用人が
着いてくれていると思うと少し安心した

壁に寄りかかりぼーっとしていると
急に上から声がした

「やあ◇
お嬢さんは1人かい?」

横を見ると背の高い男が立っていた
スーツをきてオールバックにした髪
上品なのにどこかちぐはぐなきがした

それが怖くて小さく首をふった

「あれ?喋れないのかい?◇
それとも話すなって言われてる?」

唇を噛み男を見る
舐めまわすように見られて
居心地が悪かった

でもこの男が来てからは
おじさん達の寒気がする視線はなくなった気がした


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