08外に出たいわけじゃない [ 9/43 ]

「えぇ!?兄貴に言ったのかよ!」

「うん。ダメだった?」

3日ぶりに来たキルアは
宿題をしている私の隣に座りながら
お菓子を食べていた

「まぁ、何も言ってこねーし、ほっとくか。」

黙々と宿題をする私の横でピコピコと
キルアはゲームをしている

「終わった!」

「よっしゃっ!
ゲーム持ってきてからやろうぜ!」

パァと顔が明るくなり
部屋に来た時から気になっていた大きな紙袋から
ゲーム機を取り出しテレビへと接続する

「初めてするから絶対弱いよ?」

「大丈夫!簡単なヤツを
ブタくんから借りてきたし。」

「ブタくん?」

「この家の次男。
オレの2人目の兄貴。
太ってるからブタくん。
あと2人、弟がいる。」

「イルミ様がお兄ちゃんなんだ。
やっぱり優しい?」

「はぁ?!
優しいわけねーだろ!
1番厳しい訓練してくるんだぞ!」

「へぇ・・・」

厳しいイルミ様も暗殺者の訓練も
想像できないので適当な相槌しかうてない

「ニノは学校楽しい?」

「学校・・・別に楽しくないよ。」

「友達とかいんの?」

「いない。
ていうか、上級生に連れられてることが多くて
クラスにもあまり顔出さないしね。」

「気に入らない奴がいるなら言えよ?
オレが殺してやるし。」

「・・・大丈夫。
ありがとう。」

物騒な物言いに驚きはしたが
この家では普通のことなのだろう

ゲームはやっぱり難しくて
教えてもらいながら
なんとかできる程度だったが
キルアは怒ることなく
弱すぎ!と笑っていた

「んじゃ、オレ訓練あるし戻る。けど」

「けど?」

「ちょっと頭触って「頑張って」って言ってみて。」

言われた通りに頭を触る
見た目とは反対にキルアの髪の毛は
ふわふわと猫っ毛だった

「『頑張って』」

言われた通りにしただけだが
キルアは満足そうに笑い出ていった

イルミ様は私に同じことをしてくれる
キルアもそれをされたら嬉しいのだろうか?
と頭を傾げた

◇◇◇◇◇

今日も学校はつまらない

ぼぅっとしながら上級生達がいる部屋で
過ごして学校は終わる
埃っぽい教室にいて何が楽しいのだろう

「もう、帰ろうぜ。」

「そうだな。」

まだ帰るには少し早いが上級生達は帰っていき
ほっと一息つくことができた

ツボネもまだ来ないだろうし
このままここで本でも読もうかと思った時
扉が開き人が入ってくる

「学校ってこんな簡単に入れるんだな。」

「キルア、なんで?!」

お金持ちの子ども達が通う場所で
セキュリティ面もしっかりしてるはずなのに
暗殺者の前では関係なかったらしい

「ニノの学校見てみたかったし。
遊びに行かねぇ?」

「ダメだよ。
それはイルミ様に許可してもらってないもん。」


当たり前のことを言っただけなのに
キルアが急にムスッとした顔になり困惑した

「別にいいだろ!
行くぞ!」

グイッと手を引っ張られるが
足でどうにか踏ん張る

「ダメだってば!」

「・・・無理矢理つれていくからな。」

「え?」

キルアが目の前から消えた、と思った瞬間に
後頭部に衝撃が走り目の前が暗くなった


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