28
::


フードがとれた
隙間から見るのと違って
店内はとてもキラキラしていて綺麗だった

「テメェ・・・!!」

とれたフードを深く被せられ
キラキラしていた視界は
一瞬で元の色に戻ってしまう

「な、ちょっと引っ張っただけじゃない!」

「落ち着けキッド!」

聞こえて来るのは怒鳴り声と
落ち着かせようとする声

フードの隙間から見ると
キッドが手にナイフを持っていた

「人のモン勝手に触ってんじゃねェよ!」

ビリビリとするような殺気
店内が静まりかえる

「キッド・・・」

キッドにだけ聞こえるように
名前を呼ぶ

「チッ」

ナイフをしまい
あたしを抱えなおす
お店の扉を蹴るように開け
外へと出た

誰かを殺すんじゃないかというぐらいの
殺気を放ちながら足早に歩く

船に着きキッドの部屋に入ると
乱暴にベットに放り投げられた

「痛っ」

「俺が戻ってくるまで寝るんじゃねェぞ」

「・・・わかった」

そう言って出ていくキッド
ドアは外側から鍵がかけられた

寝ないようにと
シャワーを浴び
買ってもらった服の中から
丈の短い白いワンピースを着る

そのまま窓から外を眺めて時間を潰すことにした

prev / next
[ back to top ]
top
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -