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膝の上にいたマリアが
いつの間にかマルコと
喋ってて何喋ってんのかなー
なんて考えた

あたしとは正反対で
女性らしいマリアと
マルコはお似合いで
やっぱりマルコには
女性らしい人が似合う


「アリア、飲みすぎだ」

気づかないうちに
あたしの前にあった瓶は
中が空っぽで転がっていた


「どうした?」

「別に何でもないよ」

戻ってきたマリアはニヤニヤと
いつもの意地悪な笑顔だった

「何してたんだ?」

「うふふ、内緒話ー」

「マリア、顔が意地悪になってる」

「あら、やだ」

うふふと笑うマリアは
楽しそうでそのまままた
あたしの膝の上に頭を乗せる

「イゾウがくっつくから
暑くてなんか背中かゆい。」

「俺がかいてやるよ」

「はは、どいてはくれないんだ」

「こんな特等席からどくわけないだろ」

モゾモゾと入ってきた手は的確に
かゆいところをかいてくれた

「あーそこ。イゾウ言わなくてもわかるとか
エスパーなの?あたしの心読めるの?」

気持ちがよくて
はぁーと深い息を吐く

「アリアのことは何でもわかんだよ」
耳元で聞こえる声に
身体がゾクリとした
艶のある声が吐息が耳を刺激する

「ちょっとーイゾウ隊長ばっかりずるーい!」

「おい!何してんだよい!!!」


いきなりの怒鳴り声
目の前に立つのは
眉間にこれでもかというくらい
皺を寄せたマルコ


何を怒ってるのか
わからず開けた口を閉じることができない
いきなりのことに
一緒にいたメンバーも吃驚して
目を見開いていた
ただサッチとハルタだけは
ニヤニヤと笑っている


「・・・は?」

「イゾウ何してんだよい」

あたしの服の中にあった手を掴む

「おいおいマルコ何怒ってんだよ
アリアがかゆいって言うから
背中をかいてやってただけだ」

その言葉にハッとした顔をしたマルコ

「俺がアリアにこんなとこで
ナニかするわけねーだろ」

掴まれていた手を振り払い
あたしを抱きしめる

あぁ、マルコは
あたしの服の中に入ってた手を見て
怒ったのか。

「あはは!マルコ!父親みたいだよ!」

あたしの笑い声で
他のみんなも父親か!なんてヤジを飛ばす

エースなんか
「マルコパパ!」なんて発言をしていた


マルコの怒った理由に
呆れるような嬉しいような
よくわからない感情

一通り笑って
マリアをそっと起こし
イゾウの腕の中から抜け出して
マルコに抱きつき
頭を撫でる

「あはは!マルコ可愛い」
あたしの行動にまた周りは静まり返った

がばっとあたしを引き剥がした
マルコの顔を赤くなって
眉間には皺がよっている

「酔ってんのかよぃ」

「ふふ、そうかも」

「俺の横で飲めよい」

あたしの答えを聞く前に
手を引っ張られ
マルコがいた場所に引っ張られた





マルコに引っ張られていく
アリアを眺めながらマリアが口を開く

「あーぁ。イゾウ隊長がしっかり
捕まえとかないからアリアとられましたよ!」

アリアが残していった酒を飲むと
やはり強い酒を飲んでいた

「そうだな」

「平気なんですか?アレ」

マルコの横に
座らされてるアリアを指さす

「平気なわきゃねーだろ。
イラつくけど無理はしねェっで決めてる」

出来るなら片時も離したくなんかない

「ふふ、慰めましょうか?」

「お前なんざ、好みじゃねェよ」

「同感です。無理強いしない
イゾウ隊長とアリアは応援できるのにー」

ふんっと鼻で笑う

「アリア行っちゃったし
ちょっとアリアにちょっかいだして
あたしもナースのとこに戻りますねー」

立ち上がりマルコとアリアのとこに
行くマリアを見ていると
いきなりアリアの唇にキスをした

「テメェ!」

呆然としているアリアと
怒るマルコに
おやすみと手を振って
ナース達の所に戻っていった


「くく、面白い」

1番強いライバルは
マリアなんじゃないかと笑う





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