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新聞を見ながら時折
アリアを見る

整った容姿。
動かねェと本当に人形みてェだ。

寝ころぶ事ができるソファーは
俺が寝ながら新聞を読んでいても
アリアなら普通に座っていられる。

俺が横にいろと命じたら
それに従いソファーに座り
ぼーっとしている

「・・・おい」

話しかけると少し身体を震わし反応する

「はい・・・」

「暇じゃねェのか?」

「・・・・・・別に」

手を伸ばす範囲にあった本を取る
キラーが持っていた本で
冒険物の話だったはずだ

それをアリアに差し出すと
恐る恐る手にした

「本は読んだことあんのか?」

「文字を教えてもらってからは
新聞以外読んだことない」

「それでも読めよ」

「・・・ありがとう」

そのまま俺は新聞を読む
アリアは本を開き読み始めた

しばらく観察していると
キラキラと目を輝かせ
次々とページを捲っている

「・・・おもしれェのか?」


「うん!!なにこれ!
こんな本が世の中にはあるん・・・だね。」

楽しそうに話始めたが
相手が俺だと気付き静かになった

「くく、そんな本は
いっぱいこの部屋にあるから
好きに読めばいい」

そう言ってやると
目を輝かせ笑顔でこちらを見る

「いいの?!」

その笑い顔には幼女のような
無垢のものが感じられるが
艶やかさもあった

時が止まったような気がした

「あァ・・・好きにしろ」

間があった俺の様子に
しまったというような顔になり
またいつもの人形みたいな顔に戻り
もう1度ありがとうと呟き
本に視線を戻した

チッと心の中で舌打ちをし
新聞へと視線を戻した


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