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キッドの部屋の前
あたしの檻でもある場所

扉をくぐり
自ら檻へと戻る

「次の島でテメェの物
買いに行くぞ」

「・・・うん」

ドサっとソファーに座るキッド
自分はベットに腰掛けようと
横を通り過ぎる

「テメェどこいくんだ」

ガシッと腕を掴まれ
そのままキッドの
横へと引っ張られる

「俺がいる時は
俺の横にいろ」

返事をせずにそのまま
ちょこんと隣に座る

「おい」

反射的にびくりと身体が震える

キッドの長い手が
あたしの髪の毛を掴む

「っいた」

「俺を無視するじゃねェよ」

やっぱり返事をしなかったことに
怒ったらしい

「っごめんなさ・・・い」

ここではあたしはキッドの物で
あたしはあたしの物じゃない

今はキッドを怒らして
酷い事をされたくない。

チッと舌打ちをし
あたしの髪の毛を離す

キッドは新聞を手にし
読み始める

する事のないあたしは
ただぼーっと
キッドの横にいるだけ

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