18
::


起きると
キッドはソファーで
新聞を読んでいた

「・・・おはようございます」

チラリとあたしを見ただけで
すぐに視線を新聞に落とした

「昨日ほとんど何も食べてねェだろ
テーブルの上モン食え」

キッドが座ってるソファーの
前にあるテーブルには
パンとスープとサラダが置いてあった

「いただきます」

シーツを身体に巻き付け
いそいそとキッドの隣座り
出来るだけ気配を消し
食事を取る

チラッと新聞を横目に見れば
麦わら帽子の男の懸賞金が
上がったと書いてあった

「ルフィ・・・」

思わず呟くと
キッドが顔を上げた

「テメェ文字読めるのか?」

「うん。
勉強させられた」

「奴隷なんざ
文字なんか読めねェと思っていたが」

「貴族に売れるようにと
いろんなことさせられただけ」

「他に何が出来る」

「おおよそ生きていくのには
必要の無いことばかり」

「ふん、まぁいい」

興味を失ったのか
また新聞に視線を戻した

「・・・今日この船の野郎どもに
テメェを紹介する」

「え」

「犯されたくねェなら
俺から離れるんじゃねェぞ」

「・・・うん」

ふんっとそこから
会話をするこなく
食事をとった


この沈黙は
苦痛ではなかった

prev / next
[ back to top ]
top
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -