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ぼーっと窓の外を眺めていると

「テメェは何でそんな格好してんだ?」

その声にびくりと身体が震える

「服がないから・・・」

近付いてくるキッドに思わず
後ずさるが背には窓ですぐに動けなくなった

「その格好でキラーの前に
いたわけじゃねェよなァ?」

前髪を掴まれ嫌でもキッドの
顔を見なければいけない
掴みやすい長い前髪が恨めしい

「答えろ」

どうせここで嘘をついても
キラーに確認すればバレる

「この格好だけど」

そう言った瞬間髪の毛を掴む力が強まる

「ッチ!俺の前以外で裸見せんな。
そんなに見られたきゃ野郎共の
前に放り出してやる。
女に飢えてんだ。
どうなるかわかるよなァ?」

その言葉に身体が震える
きっとぼろ雑巾のように
犯されるに決まってる

震えるあたしを満足そうに見る

「俺は他の男が触った女なんざ興味ねェ。
この船で安全に過ごしたかったら
俺に従っとけよ」

「は・・・い・・・」

ふんっと前髪を離され自由になる
この船の人達は知らないが
女に飢えている事は確かだ。

「おら、こっち来いよ。酒つげ」

ソファーに座るキッドの横に座り
テーブルに置いてあるお酒を
キッドの持つグラスに注ぐ
こんな昼間からお酒なんて飲んで
敵船が来ても大丈夫なのだろうか。


「その前髪邪魔だな」

あたしの長い前髪を見ながら呟く
立ち上がりシーツを投げつけられ

「巻いとけ」

身体を隠せということだろう
言われた通りに身体に巻き付ける

電伝虫でキラーを呼んだようだった

すぐにノックとともに
ハサミをもったキラーが現れ
あたしの前に立つ

「前髪を切るだけだ」

髪が床に落ちないようにと
新聞を持たされ
ジョキジョキと前髪を切られた

髪の毛が入るから瞑っていた目を開ける
髪の毛がないとこんなにも視界が広いのか

驚いた顔のキッドが見える

「チッ。キラーもういい下がれ」

キラーは片付けをし出ていった


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