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黙々と書類作成、書類整理を行う


「・・・昨日はずっとイゾウのとこかよい?」

沈黙を破り
マルコから出た言葉は
イゾウのこと

「そーだけど。なに?」

「あー・・・あれか。やっぱり
男女の関係なのか?」

「さぁね。最近イゾウのこと
気にしすぎじゃない?」

書類に目を落とし
マルコの方を見ないが
マルコからの探るような視線が
チクチクと刺さる

「付き合うのかよい」

「何回も言ってるけど
あたし付き合うとかないから
それにマルコだって
彼女とかいるなら
あたしとの関係なんか切っていいから」

「女のなんていねェよい!」

くらくら煮立った鍋のように
胸の中がむしゃくしゃする

「あたし前に見た事あるよ?
小さい可愛らしい子と
腕を絡ませて笑顔でいるとこ」

苛立つ気持ちを抑え
淡々と言ってのける


「なっ・・・」

マルコを見たら
顔がこわばっている
その表情からあたしに
見られたら困るものだったのかと
確信に変わる


「やっぱり男は小さくて可愛らしい子が
タイプなんだね」


「・・・あれは娼婦だよい」

娼婦だからなんなのか
楽しそうにしていたのは
事実じゃないか

「だから何?」

「だから女とかじゃねェよい」

少し焦った様子で取り繕う
その様子に更に苛立ちが募る

「もういいよ。
なんかイライラするし
夜会うのしばらくはやめよう」

「いやだよい」

「なんかマルコにイライラするもん。
今日の仕事終わったから!!!
あたしもういくね!」

バンっと乱暴に資料を机に叩きつけ
何か言いたげなマルコを無視し
部屋から出ていく



内側の苛立ちを
沈めたくて甲板で
一人で身体を動かし
汗を流した


この苛立ちも
汗みたいに流れてしまえばいいのに


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