07
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マルコと身体を繋げて
気持ちも楽になった
マルコの隣が楽しかった

あの日まで。

「マルコ!今日島につくって!
美味しいもの食べに行こ!」

甲板にいたマルコに
体当たりするように抱きついても
よろけることもなく支えてくれる

「あー今回はやめとくよい」

「え。なんで」

「用事があるんだよい」

「そっかー残念。」

少し残念に思いながらも
一人で島を回ってると
マルコの頭が見えた

「あ、マルコ」

駆け出しそうになったが
その隣に女がいるのをみて
足を止める
いや、地面に縫い付けられたのかのように
動くことができなくなった

その女は小さくて
髪の毛も長い
守ってあげたくなるタイプ

ナース達ではない

腕に絡まる女
その顔は笑顔で
頬も少し赤い


あれはあたしでもわかる
マルコに好意を寄せている

マルコの顔は見えないが
腕をそのままにしているのは
嫌じゃないのだろう


初めて寝た日に
付き合うかと言われたのは
何だったのだろうか

断ったのは自分だ
勝手に恋人がいないと思い込んでいた
大事にしてくれている気がして
特別な気がしてそれに甘えていたのだ

毎日マルコにくっついて
甘えて抱かれて
恋人気分だったのは自分だった

胸がキュッとなり
体温が下がっていく

女がマルコの服をひっぱり
耳打ちをする

その時マルコの顔が見えた

笑顔だった

これ以上はその場にいるのが嫌で
懸命に足を動かし逃げた

遠く離れたとこで
適当な店に入り
お酒を浴びるように飲んだ

同じ店にイゾウがいたが
気にもとめずに飲めるだけ飲んだ

拒否したのはあたしなのに
特別でいたかったのはあたし。
なんて都合の良い女。
マルコへの気持ちを忘れれるよう。


つぎの日目が覚めると
イゾウと裸で寝ていたのだ

びっくりして固まっていると
「起きたのか」
イゾウが優しく手を伸ばし
髪を撫でてくれた

飛ばし飛ばしだが
イゾウとの一夜が
頭に浮かび

冷や汗が出る
とんだ失態を晒してしまった
泣きついてしまったのかもしれない

はっきりしてるのは快楽に溺れ抱かれたこと

「え、あたし」

「気にすんな」

起き上がったイゾウに
顎を掬われキスをされた

船に戻り
マルコと会った時は
少し胸が痛んだが
隣にイゾウがいてくれたから
平気だった

イゾウとあたしが一緒にいたことで
訝しげな顔をしていた

それからイゾウともマルコとも
関係を続けているのだ

マルコから結局離れられず
一緒にいるのが少し減ったくらいだ

それでも抱いてくるマルコ
あの女はいいのかと頭の片隅で浮かぶが
身体を重ねる

自分は特別なような気がする
そんな気持ちに蓋をした




パッと目が覚める

夢を見てたのか。


イゾウの部屋に置いてある
パジャマ代わりの
あたし専用のTシャツを着ているということは
イゾウが着せてくれたのか


あの後結局2回抱かれ
いっぱい鳴かされ
意識を飛ばしてしまったらしい

夕方から一緒にいるが
もう日付もかわる頃だろう

「イゾウのせいで腰が痛い
身体がだるい」

「起きてそれか
俺はまだ抱き足りないが」

「や、勘弁してくださいか」

クスクスと笑われる
でももう本当に身体が疲れる

「煙管って美味しいの?」

「さぁなぁ。吸うか?」

「いらない」

色っぽい仕草で
見ほれてしまう

「イゾウってさー
女嫌いだと思ってた」

「あぁ。間違っちゃいない」

「そうなの?」

「アリア以外は興味ないな」

「でたよ。あたし口説いても
しょーがないでしょ」

もう寝る!と
布団にくるまる

「俺はまだ少し起きてるから」

「わかったーおやすみ」

イゾウの布団で
イゾウの匂いに包まれながら
さっきまで寝ていたのに
お酒と疲労で簡単に眠りに落ちる







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