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ぼーっとしすぎてるのに気が付き
慌てて起き上がる

シーツには血がついていた

下半身にはまだ違和感と
鈍痛が残る

重い身体を引きずり
シャワー室へと歩く

手錠はついたままなので
あらいにくい

身体にはキッドが残した
赤い跡や噛み跡がついていた

水がしみる

「っつ・・・」

ツツーと膣から白い液と血が混じったものが
流れ出す

初めてを大切にしていたわけじゃない
商品なのだから
それでも少し何かを期待してる部分は
あったのだろう


身体を綺麗に洗い
部屋に戻る

言われた通りに
シーツを巻いて待つ


しばらくすると
ノックが聞こえた

「入るぞ」

「はい・・・」

キラーさんが
入ってきた

「大丈夫か?」

「・・・」

大丈夫かと聞かれれば
命はあるから無事だが
気持ち的には大丈夫じゃない

「キッドは乱暴だが
悪い奴じゃない。
気に入ったものの扱い方が
わからないんだ。すまない」

頭を撫でられる

「キラーさんは優しい」

「キラーでいい。手をだしてくれ」

手を出すと
手錠を外された

「手錠は外すがまた違うのを
つけなければいけない」

そう言って手にはめられたのは
海楼石の腕輪

「・・・やだ」

無駄な抵抗
わかってはいるが
素直に従うのも嫌だ

「キッドの命令なんだ。
あととりあえず俺のTシャツしかないが
これをきてくれ」

そう言って渡された
Tシャツを頭から被され
仕方なしに腕を通す

大きいシャツは
それ1枚でワンピースになった

「下がスースーする」

下着もなにも
シャツ以外の身に付けるものがない

「すまないが女物は置いていない。
次の島まで我慢してくれ」

「・・・わかった」

「部屋はこっちだ。
裸足だから俺が連れていこう
捕まっておいてくれ」

横に抱きかかえられる

生まれてきてから
誰かに抱きかかえられた記憶がない

どうしていいかわからず
そっとキラーの服を掴む

「あぁ掴まっといてくれ」

優しく話しかけられるも
初めてだと気がつく

キッドに命令されているせいかもしれないが
それでも初めてなのだ

少し胸が温かくなったのは内緒


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