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いつもと変わらない日常

扉の外とこの部屋は別世界のように
時が進んでいく

バタバタと足音が聞こえ
勢いよくドアが開いた

「アリア!!!」

マルコさん以外の人に出会ったのは久しぶりだった

「エース…?」

前と変わらずにキラキラとした笑顔
私を見つけてさらに輝いた

「アリア、心配してたんだ!
全く姿を見せねェから船を降りたのかと思った!
マルコの部屋にいるなら教えてくれよ!」

駆け寄ってきたエースに抱きしめられた

悪魔の実のせいなのかエースの体温は高い

「どうしたの?」

「どうしたの?じゃねェよ!
皆お前が船を降りたって噂してんぞ。
なんかあったのか?」

私の頭の中にはハテナが飛ぶ

「私はマルコさんのお手伝いをしてるの。
皆、知らないの?」

「わからねェけど、おれは知らなかった!」

小さな少年のようにはしゃぐエース
いつまでも離れず抱きしめられたままだ

「·····エース、離して」

「あ!悪ぃ!」

今気づいたかのようにやっと身体が解放される

「心配しないで。
私、ずっとここに置いてもらってるの。
マルコさんの秘書みたいな感じ。
ちょっと理由があってこの部屋からでたくないだけ。」

「理由ってなんだよ?
前みたいに甲板で訓練しようぜ!」

「それは、言いたくない。
マルコさんは?ここに来ていいと言ったの?」

「·····いや、マルコには聞いてねェ。」

「ここはマルコさんの部屋なの。
隊長の部屋に勝手に入ったらだめでしょ?
ちゃんとマルコさんの許可をとってから来て。」

「なんだよ!
マルコ、マルコって。
今日はアリアの生存確認できただけでもいいか!」

「生存確認って…」

その物言いに少し笑ってしまった

「んじゃ、まだ来るから!」

「ちゃんとマルコさんの許可もらってね!」

聞いてるのか聞いてないのか
分かった!と返事をして嵐のように去っていった

いつもエースはあんな調子だ
自分のペースに人を巻き込んでいく

そんなエースに何度も救われた
エースに触れられても嫌な感じはしなかった

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