11少しの変化
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ほとんど気を失うように意識を手放した

目が覚めた時にはマルコさんはいなかった

窓から見える太陽は
登りきっていてもう昼過ぎなのかもしない

身体は重たく軋むのに
頭は冴えて久しぶりに
スッキリしている気がする

ベッドから降りると
太ももを液体が伝う

白く濁ったそれは昨日の名残だ
体は綺麗に拭かれているが
さすがにここまでは何も出来ないのだろう
激しく交わったのに変なところで
気を使うのがマルコさんらしくて小さく笑った

あの日から今日まで
思考にモヤがかかったように
なにも感じなくて
ただただ怖かったのに
昨日マルコさんに抱かれただけで
付きまとっていた恐怖さえも消えてしまった
改めてマルコさんは凄いなと思った


「アリア、起きたのかよい。」

部屋のドアが開き
マルコさんが顔を出す

「今起きました。
寝すぎてごめんなさい。」

「いいよい。
無茶させたのはおれだしねい。
それより、なんか着てくれよい。」

そう言われて自分が何も
身にまとっていないことに気がついた

「きゃっ、ごめんなさい!」

手元にあったシーツを手繰り寄せ
前を隠すとマルコさんが
クローゼットから服を取り出してくれた

それを受け取るとぐっと抱き寄せられた

「また無茶させたくなっちまうよい。」

額に唇が触れる
嫌じゃない、むしろもっとしてほしい

マルコさんを見つめると心得ていたかのように
小さく笑って唇にキスをくれる

啄むように何度もキスをした

それがとても心地よくて身体が
フワフワと浮いているようだ

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