血が滲む
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「お前、本当は何者だ?」

「・・・クザンさんの姪です。」

「にしては似てねェよなぁ?」

「貴方には関係ないかと思います。」

「冷てェなァ。
媚を売る女は沢山いるが
お前みたいに冷たい女は少ない。」

媚を売る方が興味を失っていたのか、と思い
選択を間違えたとは思ったが
取り繕うこともできないだろう

「クザンさんは仕事です。」

「お前は家にいて家事か。
家政婦じゃねェか?」

「それでも今が一番充実してます。
クザンさんと暮らすのは
苦ではありませんので。」

「へェ・・・。
姪だなんて言って
本当はできてんのか?」

「なっ、!」

「なわけねェか。
青雉の趣味じゃねェしな。」

少しムッとしたが
それからは無視を決め込んだ
何を話しかけられても無視をしているが
ドフラミンゴのニヤニヤした顔は変わらない

洗濯物を干し終わり
家の中に戻るがドフラミンゴもついてきて
キッチンに置いてあるテーブルに座り
置いてあったリンゴを
そのままムシャムシャと食べる

「腹減った。
なんか食わせろ。」

眉間に寄る皺を見てもなんとも思わないのか

「もう帰ったらいいんじゃないですか?」

「どうせ、青雉はまだなんだろ?
一緒に食ってやるよ。」

「・・・わかりました。」

嫌だ!と言いたいのにその言葉を飲み込み
とりあえず素早く作れる
教えてもらった炒飯を作り
ドフラミンゴの前に置く

スプーンを置くとすぐに
炒飯を食べ始めた

「食えるもん作れるじゃねェか。」

「クザンさんが教えてくれましたから。」

自分でも食べるがいつも以上に
上手くつくれていて満足な出来だった
クザンさんにもあげたかったが
ドフラミンゴが食べてしまった。

「あー、食った食った」

「早く帰ってください。」

「お前、おれが探してるやつに似てんだよ。
おる王国の王女に。」

「・・・そうなんですか。」

「あァ。調達を頼まれていんだがなァ。」

「調達・・・?」

「こっからは言えねェな。」

「もしかして、
国王と王妃が亡くなった国ですか?」

「さァな。」

ここまで言っておいて
勿体ぶるなんて意味がわからないが
サングラス越しでは何を考えてるか読めない

「・・・その話は聞き捨てならねェな。」

空気が一瞬で冷えた
そんな気がした

「フッフッフッ、早いな。
またサボりか?」

「クザンさんっ!」

ドアのところにクザンさんが立っていた
その姿にほっとして立ち上がろうとした時
何かが足を掠めた

「あっ、」

「アリア!」

倒れかけた私をクザンさんの能力で支えてくれた

「ドフラミンゴ・・・!」

「あァ悪ぃ。手が滑っちまった。」

足首を何かで切られたように
血がでてきた

「へェ。噂は本当だったのか。」

流れた血は赤い宝石になり
床にポロポロと落ちていった

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