こぼれ落ちた
::


海賊についての資料もあった
キッドは気性が荒い海賊として有名らしい

トントンとノックが聞こえたが
クザンさんは起きる気配はない
なんとなくクザンさんが寝ているソファに
座ってしまった

どうしようかと迷っていると扉が開く


「フッフッフッ
お前か。クザンが拾ってきたガキは。」

怪しく笑うこの男は
七武海のドフラミンゴだ

命令を受けたとは言え国を滅ぼした男
それでも圧倒的な力の前に何も出来ない

「白いな。
悪魔の実を食べたと聞いたが
何を食べた?聞かしてくれ。」

大きな手が迫ってくる
金縛りにあったかのように
体は動かない

ヒュッと息を吸い込む
呼吸の仕方を忘れたかのようだ

「やめてやってくれるか?
おれの姪なんだ。」

ぐっと体を引かれ
金縛りがとけたかのように
体に力が戻る

「姪?全く似てねェじゃねェか。」

「海軍大将の姪に傷をつけたら
どうなるかわかってんだろう?
怖がらすんじゃねェよ。」

「怖い顔をすんじゃねェよ。
おれはどんな実を食べたか聞いただけだ。」

しばらくの沈黙の後に
意味ありげにドフラミンゴが口角をあげた

「まァいい。
おれが探している女に似てると思っただけだ。
じゃあな。」

ドフラミンゴが出ていってやっと一息つく

「大丈夫か?」

「はい。あの人が国を・・・」

「まァ、そうだな。
討伐に自ら名乗り出たって話だ。
何かあるのかもしれない。
気をつけろよ。」

「・・・わかりました」

くしゃくしゃと頭を撫でられ
クザンさんは起き上がった

「お!書類整理してくれたの?!」

「はい、読みやすくなったかと思います。」

「助かる。さくっと終わらして帰るか。」

「はい!」

クザンさんは本当に素早く仕事を終わらしていた
なんで普段からそんなふうにしないのか問うと
これ以上仕事を増やされたくないからだと
笑っていた

◇◇◇◇◇

夜になる頃には
元の島に着くことができた

「クザンさんはなんで
優しくしてくれるんですか?」

「気まぐれだ。」

こんなめんどくさい女を姪だと偽って
匿ってくれるような気まぐれはないとわかっている

夜、ベットに寝転びながら
何か出来ないかと考えた

王女という肩書きがない自分は無価値だ

部屋にあった鋏で自分の手に傷をつける
滴る血がしばらくすると赤い宝石に変わった

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