本部
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船が来るのかと思ったが
自転車を用意されて驚く

この小さな島からどうやって
この自転車で行くのだろうか?
と首を傾げた

促されるままに
クッションを引いてくれた荷台に座る

そのまま海に走り出し
つっこむのかとぎゅっと
腰に回した手に力を込める

海に落ちたという衝撃はなく
恐る恐る目を開けると
海の上を自転車が走る

氷の道が作られている

「す、ごい・・・」

「悪魔の実は能力と使い方次第で
なんでも出来る。
自転車1つで海に出れば
他の奴らは追ってこれないしな。」

「サボってる、ってことですか・・・?」

「ん?違う違う。
パトロール。」

そのままに休憩をはさみながら
半日ほどかけて
海軍本部に到着する

初めて来る場所に足が竦むが
クザンさんが優しく背中を押してくれた

「大丈夫。」

「はい。」

◇◇◇◇◇◇

「で、姪っ子だと?」

新聞でしか見たことがない
センゴク元帥の鋭い視線を受け
竦む自分を奮い立たせ真っ直ぐと前を見る

「そうそう。
ずっと離れてた姪っ子なんですけど、
預かることになっちゃって。
で、悪魔の実を誤って食べたらしいんで
登録ついでに連れてきたってことで。
ちょっと休憩して連れて帰ります。」

ダンっと拳で机を叩く

「馬鹿者!
誰がそんな話を信じるか!」

「って言ってもねェ・・・。
預かってるもんは仕方ないでしょ。
悪魔の実を持ってる子を
その辺に放り出す訳にも
いかないでしょうし。」

「それはそうだが・・・」

「まあまあ、おれに預けてください。」

「・・・お前は子どもの面倒を見れるのか?」

「子どもっていっても、もう16ですからね。」

え?!と大きく声を出したセンゴクさん
自分がそんなに幼いとは思ってもみなかった
確かに背は高くはないけれども

センゴクさんがゴホンと咳払いをした
「まあ、とりあえずは
お前に預けるが・・・」

「はーい。
じゃあ、失礼します。」

「仕事もきちんとしろ。
部下が嘆いていたぞ!」

「わかりましたー」

部屋から出ると
クザンさんは欠伸をする

「ちょっと仮眠とろうかな・・・」

「仕事は・・・」

「まあまあ、長旅で疲れたし。
とりあえずおれの部屋で休憩するか。」

大将と書かれた部屋を見て驚く

「クザンさん、大将なんですね・・・」

「んー、そうそう。
まあ、どうぞ。」

なんでもないように言うが
大将だなんてやはりただものではない

部屋にある大きな机、ソファにまで
書類が積まれていた

「あちゃー、どかすね。」

上に乗っかてる書類を雑にどかし
座る場所を確保すると
机に足をのせ
額につけていたアイマスクをして
すぐに寝息をたててしまった

とりあえず起きるまで、と
ソファに座りなんとなく書類を手にとった
乱雑に置かれた書類を
クザンさんが仕事をしやすいようにと
書類の区分を見ながら集めていき
机に乗せていった

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