3安定
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恐る恐る扉を開けると
部屋の前にいたのはマルコさんだった

「アイツは来れねェそうだよい。」

アイツが誰を指すのかはわかっていて
落胆とどこか安堵した自分がいた

「なんでですか?」

「なんでかは知らねェよい。
伝言頼まれただけだからねい。」

「そうですか・・・」

肩を落とすとマルコさんの大きな手が
頭をぐしゃぐしゃと撫でた

「小娘が色気出してんじゃねェよい。
ナース達も変なことを吹き込みやがって。
アリア、まだまだ女になるんじゃねェよい。
今は強くなることだけを考えろい。」

確かにその通りだ

自ら望んで戦闘員になったのに
彼氏だ、と浮かれてる場合ではない
来なかった理由は明日聞けばいい

「はい!」

なんだか心が軽くなった

「じゃあ、戻るよい。」

「あ、待ってください!」

背を向けてしまったマルコさんを
呼び止めてしまった
伝言だけで隊長を帰してしまうのは
いかがなものなのか、と思ってしまった

「なんだよい。」

「よかったらお茶でもいかがですか?」

「・・・丁度寝れなかったしもらうよい。」

ちょっと間があったが
頭をかきながら部屋へと
入ってくれたマルコさんに
とっておきのお茶とお菓子を出す

そして戦いのコツや
隊長格の昔話を聞いて
いっぱい笑い楽しい時間だ

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