真っ白な
::


いつの間に寝たのだろう
ベッドには自分一人だ

布団をめくろうとして違和感があった
その違和感を確かめるために窓に寄り
震える手でカーテンを開く

日に当たった自分の手を見る

白い

それが感想だった

今までだって日に当たったりしなかったから
肌は白い方だと思っていたが
さらに白い

髪の毛も赤くなっていたはずなのに
真っ白に色が抜けていた

急いで鏡を見に浴室へと行く
そこには色を無くした自分がいた
髪の毛もまつ毛も全て白い
色が残っているのは前より赤くなった唇に
元の目の色の青い瞳

それ以外は色を洗い流してしまったようだった

しばらく鏡の中の自分を呆然と見つめていた

ガチャっとドアが開く音が聞こえ我に返る
キッドに見つかる前にベッドに
入っておくべきだった

「アリア!!どこだ!」

急いで浴室から出るとキッドが苛立ったように
ベッドをひっくり返そうとしている所だった

「キッド・・・!」

声に気が付き
こちらを振り返ったキッドが目を見開く
そしてすぐに口角を上げた


「アリア、来い。」

いつもなら殴られて床に倒れ込む場面なのに
今日は観察するように見られている

ソファに座るキッドの前に立たされ
髪の毛、顔を、体全てを見られた

「『シロシロの実』お前が
食った悪魔の実の名前だ。」

大きな手が身体を這う

「その実を食べたやつを
ある国では神のように崇めるらしい。
神は白く穢れがない、と。」

身体を引き寄せられ唇を貪られる
息を苦しいほどに舌を吸い上げられ
胸の先端をつまみ上げられると
下腹部が心得ているように潤んでくる

「クク、お前は白くても
おれに穢されてんのになァ?」

被虐的に歪む笑みはこの後の
情事を覚悟するしかなかった


prev / next
[ back to top ]
top
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -