おでかけ
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「アリアは最初よりも元気がないな。
どうする?」

「ほっとけよ。」

「あれじゃ弱ってしまうぞ。
船の部屋ばかり辛いのだろう。」

「・・・今日はつく島では降ろす。」

ベッドでキッドとキラーの会話をきいて
半年ぶりに船を降りれると聞いて
少し嬉しかった

「キッド、本当?」

ベッドからシーツを巻いたまま降りる

「起きてたのかよ。」

「今起きたの!」

「キッド、後で迎えにくる。
服は部屋の前に置いておく。」

「あぁ。」

キラーが出ていくと
キッドにソファーへと引き寄せられる

「連れてってやるが・・・
おれから離れることは許さねェぞ。」

「うん。わかってる。」

「そうか。ならいい。
とりあえず、はしゃぐ元気が
なくなるくらいにはしとかねェとな。」

「え・・・、」

そのまま島に船がつくまで抱かれ続けた
首にはいつも以上に所有物の印がつけられていた

◇◇◇◇◇◇◇◇

久しぶりに船から降りられるというのに
体力は回復しないままだ

「キッド・・・、やりすぎだ。」

「ふん、体力のねェこいつが悪い。」

キラーの呆れた声を聞きながらも
キッドの腕の中にいる
足に力が入らないからだ

自分で歩けないとはいえ
久しぶりに外に出ると空気が景色が
全てが新鮮だった

ただこの島は柄の悪そうな人が多い
そして海軍の姿は見えない

きっとそういう島なのだろう
海軍も手を出せないほどに治安が悪く
海賊もすきに歩き回れる島

「海軍がいなくて残念だったなァ?」

「そんなこと、思ってない。」

「まぁいい。
ここは海賊のための島だ。
海軍なんてここにはこない。」

海賊達はキッドの姿を見ると目を逸らした
キッドの凶暴性が見て取れる
恐れているのだキッドを

◇◇◇◇◇

「頭ァ!久しぶりに見たら
アリアちゃんが違う髪になってるたから
てっきり違う女かと思ったぜ!」

ガハハと大きな笑い声が店内に響く

それぞれの隣に女性が座りお酌をする
キッドにそれをするのは私の役目だ

店主が女性をつけようとするのを断っていたのだ
てっきり放置されるのかと思ったが甘かった

「酒がなくなったらすぐ酒を入れろ」

「・・・はい。」

それでもいつもと違う食事は楽しい
この島の名物料理を食べた
国では食べたことの無いものは魅力的だ

「美味いか?」

「うん。美味しい。」

「いっぱいあるから食え」

「ありがとう。」

少しだけキッドの顔が緩んだきがしたが
そう思った次の瞬間には元の顔に戻っていた

同じテーブルにはキラーがいた

何時間も居座り解散するとなった時

「今日はこの店の部屋に泊まる」

この言葉には驚いた

そして直ぐに部屋へと連れていかれる

キラーもついてきていて
疑問には思ったが何も聞かなかった

部屋に着くとすぐにソファーに座らされ
目の前に出されたモノを見て目を見開いた

「キッド、これ・・・」

「食え。悪魔の実だ。」

キラーを見るが何も言わない
分かっていたことなのだろう

初めて見た悪魔の実は
白く変わった形をしていた

ゴクリと唾を飲み込んだ

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