それぞれの
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キッドがいる時は極力窓を見ない
出ていきたいのか?と怒り出すからだ
ベッドからも極力出ない
今日はキッドは街に出ているらしい
多めに食べ物を置いていったから
もしかしたら明日まで
戻ってこないのかもしれない
そうしたらこの船に乗って
初めての1人の夜だ
シーツを体に巻き付け
窓から外を見てみるが
見えるのは港ではなく広がる海
私が島に助けを求めないように
私がいる部屋をわざと
海しかみえないようにしているのだろう
世界は広い
連れ出されたのだから
外の世界に興味を持ってしまうのは
仕方が無いことだと思う
ずっと悲しんでいるばかりではいけない
運命を受け入れて前に進んでいくしかないのだ
赤色になった髪を触りながら見る
綺麗に染まった髪
そしてその髪を持っている手は
国にいた時よりも細くなっている気がした
ため息が出た
◇◇◇◇◇
「アリアを置いてきてよかったのか?」
「あ?船から出すわけねェだろ。」
この島で食料の調達ともう1つの目的がある
「おい、お前らは好きに遊んでこい!」
そう言えばクルーは喜んで
女がいる店に入っていく
「キラー、本当にあるんだろうなァ?」
「あァ。間違いない。
だが・・・、本当にいいのか?」
「問題ねェよ。
アレはもうおれのモンだ。」
アリアを見かけたのは本当に偶然だった
15の誕生日を国で祝っている時だった
城のバルコニーから手を振るアリアをみた
それから欲しくてたまらなかった
1年かけてやっとアレを手に入れた
逃がしはしない
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