月の物
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好きな時に抱かれて服も与えられず
港に停泊していても
部屋からは出してもらえていない
服を着ないまま部屋を歩き回ることもできずに
トイレやお風呂以外はベッドから降りていない
そんな生活をして1ヶ月経った


腰の気だるさと下腹部に違和感を感じて
シーツを捲れば赤く染まっていた

月の物が来たことにほっとして涙が滲む
来る日も来る日も中に出されて
本当に妊娠してしまうのではしれないという
不安がずっとあったのだ

「でも、どうしよう。」

男所帯のこの船に女の月の物などあるのだろうか

そうこう考えていると
乱暴に扉が開きキッドが入ってくる

焦ってシーツで身体を隠す私を見て
眉間に皺を寄せ近づいてくる

「何隠した?」

「な、何も隠してない。」

「嘘つくじゃねェよ!」

シーツをとられ赤く染った布を見て舌打ちをする

「孕まなかったのかよ。」

「はい・・・。」

もう一度舌打ちをして部屋を出ていってしまった
どうしようかと思っていると
すぐにキッドが戻ってきて何かを投げられる
それが服と下着、月の物用の用品だとわかり
唖然としてしまったが
気が変わらないうちに、と
浴室へいき素早くきがえる
簡素だが質がいいのが肌に当たる感覚でわかる
レースが着いた薄いピンク色のロングワンピース
浴室から出るとキッドが扉の前にいた

「腹は?」

「え?」

「腹は痛くねェのかよってことだよ。」

「痛みは大丈夫です。」

「薬もそこに置いといてやるから
飲みたかったら飲めよ。」

テーブルの上を見ればいつの間にか
飲み物と薬が置かれていた

「・・・ありがとうございます。」

ベッドへ戻るとシーツが綺麗なものに変わっていた
驚いてキッドを見るが
相変わらず眉間に皺を寄せているだけで
何も言わないが誰も入った気配がないので
キッドがしてくれたのだろう

「シーツまでありがとうございます。」

「フン、自分のモンの世話をしてるだけだ。」

久しぶりの服がなんだか嬉しかったが
いそいそとベッドへと潜り込む

この1ヶ月ほとんど会話をしてこなかった
キッドは何を考えてるかわからない
好き勝手に抱かれている以外は
奴隷にしては待遇がいい気もする

シーツを変えてくれたり
服を用意してくれたり初めて
優しくされた気がする

「痛くねェのかよ。」

「はい。いつも痛くはないです。
ちょっと腰が重たい感じがするくらいで・・・」

「なら、ヤろうぜ。
生理中にした事ねェし。」

「でも!血がいっぱいでますっ!
シーツが汚れちゃいます。」

嫌だとかダメとかそういう言葉を使うと
怒るのでやんわりと伝える

「汚れたら替えればいいじゃねェか。
あ?嫌ってことか?」

「いや・・・じゃないです。」

逆らわないのは悪いのかもしれないが
1度覚えてしまった恐怖は拭えない

前に怒らしてしまった時は
暴言を吐かれながら
首を絞められたり、縛られたりと
乱暴に抱かれた

あの時のようにはされたくない

大人しく服を脱いだ
パンツを脱ぐのは躊躇していると
半ば無理やり取り上げられる

脚を広げられ観察するように
まじまじと見つめられるが
脚を閉じることは許されない
恥ずかし過ぎて自由な手で顔を覆い隠す

「へェ、こんだけ血が出てりゃ
前戯なんざいらねェな。」

「血がついちゃう・・・!」

「おれは海賊だ。血なんて見慣れてるし
血を見ると気持ちが昂りやがるらしい。」

指の隙間からキッドを見れば
舌なめずりをしているキッドが見えた

入口にはもう既に硬くなっているモノが
あてがわれていた

「その白い肌に赤が似合うじゃねェか。」

ググっと挿入ってきたモノをしっかりと
私の身体は咥え込む

「出し入れする度に血が出るぜ?
まるで処女の時のようだな。」

捕食者の獰猛な光を宿した目が
こちらを見ていた
その視線に耐えられずに顔をそむけるが
それを許さないように顎を持たれ
唇を塞がれた

グチュグチュと音がしてお腹は苦しい
本当に血で興奮したのか
いつもよりも激しく感じる

「ン、・・・はっ、あァ・・!」

他にも何かを思案するような顔のキッドに
嫌な予感がした
少しでも優しいと思ってしまった自分が恨めしい

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