主人の機嫌
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ノックの音が聞こえたが答える気はなく
シーツにくるまる
しばらくしたら人が入ってくる気配がした

「アリア、飯だ。
何も食わないと体力が戻らないぞ。」

「いらない・・・」

「消化にいいものだ。
料理人が腕を奮ってつくった。
食わないと味が気に入らなかったと
報告しなければならい。」

勝手にすればいいのに・・・と思った
その気持ちは伝わったのか
ため息が聞こえてきた

「報告しなければならないということは
料理人の料理が下手だということだ。
下手な料理人などいらない。
これ先は言わなくてもわかるだろう?」

「殺すの・・・?」

「あァ。いらないものは捨てるのがおれ達だ。」

「食べ・・・ます。」

自分のせいで誰かが死ぬのは嫌だった
渡されたのは消化が良さそうなお粥だった
これなら食べれそうだ、とほっとした

口に含むと優しい味が広がった

全部食べ終えるまで仮面の男は
何も言わずに椅子に座り私を眺めていた

「ごちそうさまです。
あの、シャワーとか浴びれますか・・・?」

「キッドに伝えておこう。
それまではそのベッドから動かないように。」

「・・・はい。」

シーツを巻いているがこの下は裸だ
動けるはずがない

「あの、あなたのお名前は?」

「おれはキラーだ。
キラーと呼んでくれ。」

それ以外は何も言わずに出ていってしまった

やることもなく、ベッドに寝転がり天井を眺めた

この部屋の窓はステンドガラスになっていて
外を見ることもできない

何もする気が起きなかった

バンッと大きな音と共に
キッドが入ってくる

ビクッと身体が強ばる
ベッドに向かってきたキッドに
髪の毛を掴まれ引っ張りあげられる

「おい、アリア。
キラーの奴に風呂に入りたいといったらしいな。」

「は、い・・・」

「お前の主人はおれだ。
おれに聞くのが正しいんじゃねェのか?」

「ごめんさい・・・」

「分かればいい。
おらこい。風呂に入れてやるよ。」

「ひ、1人で入れますよ・・・。」

「俺がこいって言ってんだから、
さっさっこいよ!!」

怒鳴られ直ぐにベッドから降りる
裸が恥ずかしかったがこれ以上
待たすことはできなかった


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