ただ、ただ
::


突き飛ばされた体を組み敷き
服を破るように剥ぎ取る

どうやって戻ってきたのか
戻っきても結局は兄に囲われてしまうのか

そんな人生は嫌だ、と思った

悔しくて涙が滲む

「泣き顔もいいね。
ほら、兄妹でするのも背徳的でいいだろ?
お前も楽しめよ。」

「そう、ね。」

首に手を回し引き寄せると
それに気を良くした兄さんは
そのまま顔を近づけてきた

嫌悪を我慢しながらキスをする

兄妹でありながらの行為は
嫌悪しかないのに兄は背徳的な行為に
興奮しているのが伝わってきた

気を抜いたところに一気に
首筋に手刀をいれる

この世界で通用するのかと思ったが
上手くいったらしい

兄はそのまま意識を失いぐったりとしていた

あんなに怖かった兄を今は怖いとは思わない
Ωはαには逆らえないが番になったら
そんなことはないらしい

兄の体を素早く寝かせ
閉じられてる窓を割り手をかける

最初に飛び降りた屋敷より大きな実家
この部屋は最上階の5階だった

向こうに行けるという確信はないし
もしかしたら死ぬかもしれない
それはそれでよかった

もう一度マルコさんに会いたい

その気持ちには勝てなかった

窓から外へと飛び降りた


prev / next
[ back to top ]
top
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -