悲劇は突然に
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扉の外からは悲鳴が聞こえてくる
部屋のクローゼットの隠し扉の中で
震えているしかできない


この国は鉄鋼業で成功し
治められてきた国
国の民は皆温厚だ

暑くもなく、寒くもない気候が
一年中続くこの国は
小さいながらに裕福で
優しい国王は皆から慕われていた

私が16になった今日、朝から盛大なお祝いが
行われていた皆が祝福をしてくれ
幸せな一日で終わると思っていた

皆が眠りついた深夜にそれはおきた

街から火が上がり、悲鳴と銃声が響く

急いできた従者に理由を説明されないまま
クローゼットに押し込められていた

静かになった外、キィーと部屋の扉が開く
出ていこうとしたが聞いたことのない
靴の音で踏みとどまった
部屋を踏み荒らす音は絶対に従者ではない

「おい、キラー。
本当にこの部屋なのか?」

「あァ。間違いない。」

「チッ、にげた後か?」

苛ついたように何かが破壊される音に
体が固まり、心臓が激しく脈打つ
見つかっては行けない、と防衛本能が
警鐘を鳴らす

「逃げる時間はなかったはずだ。
隠し部屋でもあるんじゃないか?」

「めんどくせェな・・・。
おい、出てこい!
出てこないと国王と王妃をぶち殺すぞ!」


父様と母様も危ない、
それは考えなくても分かること
大切な2人は殺されたくない

震える手で扉を開けた


薄暗い部屋に佇む二人の男がいた

仮面を付けた男と赤い髪の毛男

赤い髪の男が私を見て
口角をあげた

「間違いねェ。こいつだ!」

「それはよかった。」

ドカドカと近づいてきて
腕を引っ張りあげられる

背の高い男の目線と同じになるまで
引っ張りあげられる
月明かりが差して音の顔が見えた

この凶悪そうな顔は
手配書でみたことがあった

「ユースタス“キャプテン”キッド・・・?」

「前に見た時より・・・
いいじゃねェか。
わざわざ来たかいがあったぜ。」

舐めるように見られさらに恐怖が増す

「・・・母様と父様は?」

「殺してねェよ。
抵抗した奴以外殺してねェ。
お前がおれと来るんならもう引き上げるが
抵抗するんなら、皆殺しにするがどうする?」

そんなことを問われれば
選択肢は1つしかなかった

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