忘れないように
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エースの奪還に来るであろう白ひげ海賊団を
止めるというのが七武海の仕事だった

耳鳴りがしてセンゴクさんの
話を聞けていたかわからない

「以上だ。
来てないものには連絡はしてある。」

会議が終わり、皆散り散りに部屋を出ていく

「ドフィ、インペルダウンに行きたい。」

「あそこには簡単に行けるわけねェだろ?
わかって言ってるな。」

「お願い、エースに会いたいの。」

ドフィの服を震える手で掴みまっすぐ見据えると
口角を上げてドフィは笑う

「珍しく必死じゃねェか。」

「お願い・・・」

「・・・いいだろう。
だが、条件がある。」

◇◇◇◇◇

「エース!!!」

数日後にインペルダウンのエースの元へと
会いに行くことができた

「・・・アリアか?」

手枷で繋がれているエースに駆け寄り
思わず抱きしめる

「エース、あたしだよ。
アリア。」

「夢じゃねェよな?アリアの
いい匂いがする。」

「夢じゃないよ。
エース、会いに来たの。」

ボロボロになっているのに
にしししと笑う顔は変わらないエースに
涙が溢れてくる

「何泣いてんだよ。」

「ごめんなさい・・・。
エースが捕まったって聞いて
じっとしてられなくて。」

生きててよかった・・・と抱きつくと
頭を擦り寄せてくれる

「抱きしめれねェのが悔しいが
おれは大丈夫だ。」

「エース、逃げよう・・・?」

ぎゅっと抱きついたまま小さく呟く

「何言ってんだよ。
お前がここにきたのだって
ドフラミンゴの野郎に頼んできたんだろ?
そこでお前が裏切ったら
どうなるかわからねェだろ。
そんなことあってたまるかよ。」

「エース・・・」

エースは優しい
何もかも理解しているようにわらってくれた

ここに来るときに出された条件は
これからドフィの仕事を手伝うことと
仕事にもついて行き傍にいるということだった

「こんな汚ェとこによく来たな!
アリアに会えておれは嬉しい。」

明るく接してくれるエース
抱きついたままでいるあたしを
怒らずに受け入れてくれる

「アリア、おれはもう死ぬかもしれねェ。
最後にキスしてくれねェか?」

「最後なんて言わないで。」

頬に手を添えてキスをした
悲しくて切ないキスで涙が頬を伝った

触れるだけのキス

「あたし、エースがここを出るまで
一緒に過ごす。」

「何言ってんだ。
こんなとこいるもんじゃねェよ。
気持ちは嬉しいけどな!
捕まったかっこ悪いとこなんて
見せてたくねェしな。」

嫌だと首を振れば
頬に伝う涙をぺろりと舌が舐めとる

「だめだ。帰れ。
おれなら大丈夫だ!
おい、看守!
アリアを丁寧に連れていけよ。」

入ってきた看守が腕を掴み
牢屋の外へと引きずり出された

「いや!あたしもここにいる!
はなして!」

念の為にと着けられた海楼石のせいで
能力が使えない

「アリア!元気でな!」

笑うエースの顔が涙で滲んでいった

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