針に糸を通すように
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夜の街を屋根の上に座り見つめる
明日にはいつも通り船に乗りこの街を立つ

どれだけマルコ大切にされてのかを思い出し
傷つけしまったマルコの顔を
思い出すと胸が痛む

父親のようで兄のようなマルコ

それなのにマルコはあたしを抱いた
これはひどい仕打ちをした仕返しなのか
考えるとどんどん沼にハマって行く気がした

「あ、アリアー!」

声が下からした
見るとエースが手を振っていた
気が付かぬふりをしようとしたが
素早く登ってきたエースに紙袋を渡される

「アリアの飯!」

食べ物のいい香りが鼻をくすぐる
そういえば何も食べていない

「ありがとう」

受け取り袋の中にある
サンドイッチを頬張った

「どうした?
なんか元気ねーな!」

「ずっと忘れてたことを
思い出して落ち込んでる。」

「忘れてたこと?なんだ?」

「・・・何でもない。」

「何にせよ。飯食えよ!
そしたら元気でるぞ!」

ポンポンと頭を撫でられ
胸がポカポカと温かくなる

「エースってずるい。」

「なんでだよ!」

笑い合いサンドイッチを食べお腹いっぱいになり
屋根の上で寝そべると隣にエースも寝転ぶ
お腹いっぱいになると悩んでたことが
どうでも良くなってきた

「エースっていつも楽しそう。」

「そうだな。親父に出会ってから
毎日楽しいな!お前もだろ?」

「んー。そうだね。」

「アリア、今日はどこか行くのか?」

「・・・どこもいかない」

一瞬浮かんだマルコの顔を消し去る

「なら宿に泊まろうぜ。
2人で割り勘したら安いだろ?
おれ食いすぎて金がねェ!」

「エースらしいね。」

クスクスと笑って立ち上がる
宿を見つけるために屋根を降りたが
すぐに宿は見つかった

こじんまりとした宿は2人部屋が空いていると
割引して泊まらせてくれることになっと

「昨日はあんま寝れなかったから
寝るぞー!!」

部屋に入るなりエースが叫ぶ

そういえばエースは昨日、遊廓に行ったのだ
朝方まで抱いていたのだろうか

「・・・先にシャワー浴びるね。」

シャワーを浴びて用意されていた
ガウンに着替える

「エースでたよー。」

「ん?おう!」

部屋に備えられていたお菓子を食べて
頬を膨らますエースを見て笑ってしまう

エースがシャワーを浴びているあいだ
お酒を冷蔵庫にあったお酒を飲む

一口二口と飲むと、喉が熱い
強いお酒だと分かるが止める気はなかった

半分ほど飲み終わったあとに
エースがシャワーから出てきた

同じようにガウンを羽織っていた
見慣れているがやはり鍛え上げられた体は立派だ

「エースも飲む?」

「いらねェ。とりあえず寝転がろーぜ。」

言われたままエースが寝転がったベッドとは
違うもう一つのベッドに座ると
エースが起き上がり首を傾げる

「なんでそっちなんだよ。
いつもみたいにくっついて寝ようぜ!」

「ベッド2つあるんだから
広い方がいいでしょ?」

「アリアと同じ部屋で
違うベッドなんて落ち着かねェよ。
ほら、来いよ。」

にししと笑いながら手を出されれば
言われたまま手を取り
招かれるままに同じベッドへと入る


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