仮面を被らせて
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この島に来て3ヶ月、
発情期がきていない
もしかしたらドフィの子どもを
身篭ったのかもしれないと思っていたが
おばあちゃんに医者の元へ連れていかれ
検査をされたが妊娠の兆候はなく
新しい土地で環境が変わったからから
生理も遅れているのだろうと言うことだった

発情期と生理は周期なのが似ているので
おばあちゃんと医者にも生理だと嘘をついた

「おーい!アリアちゃーん!
今日採れた野菜持ってきたぞ!」

近所で農家をやっているおじさんが
袋いっぱいに入った野菜をくれる

「わぁ!こんなにたくさん!
ありがとうございます!」

「いやー、アリアちゃんに
喜んでほしくていっぱい持ってきちゃったよ。」

「いい年したオヤジが
デレデレしてんじゃないよ!」

おばあちゃんとおじさんのやり取りは
いつも楽しくて笑ってしまう

「今日は森に行ってくるね。」

「気をつけていっておいで。」

「アリアちゃん、またな!」

「はーい!」

家事をするようになり
メイドの頃と同じように手は
ところどころ切り傷ができた

それでも毎日が充実していた

森に入り、食べれる木の実、キノコを選び
籠にいれていく
今日はキノコご飯にしようと思う
喜んでくれるおばあちゃんの
顔を思い浮かべ笑がこぼれる

急に街の方から何かが崩れる音と砲声と叫び声が、
怒涛のような響きとなって聞こえてきた

街の方から煙が上がっているのが見え足が動く
森を脱兎の勢いで駆け抜ける

息切らして街にたどり着くと
炎が、生きているように家を飲み込んでいく

すぐに家に行くと家は少し外れた場所にあり
無事だったそれでも中にいるであろう、
おばあちゃんを連れ出さなければいけない

「おばあちゃん!」

勢いよく扉を開け中に呼びかける

「アリア、遅かったじゃねェか」

初めに目に入ってきたのは宙に浮き
苦しそうに顔を歪めるおばあちゃん、
そして椅子に座り長い脚を組むドフィがいた
ありえない光景に頭を鈍器で殴られたように
その場から動けずにいた

「アリア、お逃げ・・・」

掠れたおばあちゃんの声に我に返る

「アリア、遅くなってすまなかったなァ。
誰の縄張りでもない島にいてくれて助かった。
こうして、島を破壊しても誰も何も言わねェ。」

「ドフィ、どうして・・・」

「どうして?
番を迎えに来るのは当たり前だろうが。」

「おばあちゃんを離して!」

「アリアは何度言ってもわからねェなァ。
お前のせいでこの島の奴らは死に、
このばーさんも死ぬ。」

「やめ、て・・・!」

「お前は自分自身が傷つくよりも
他人が傷つくのかわ嫌らしいな。
そらなら尚更この島を破壊してやろうか?」

外から銃声、叫び声、泣き声が聞こえる

「ドフィ、お願い。
やめて・・・!帰る!帰るから!
これ以上街を壊さないで・・・!」

「そりゃよかった。
この島を焼け野原にしなくても
済みそうだなァ?
こっちへこい。帰るぞ。」

1歩ずつドフィに近付いていく
足が震える

「アリア、来ちゃだめだよ!」

浮いていたおばあちゃんが
床に叩きつけられるように落ちる
駆け寄ろうとするとドフィが立ちふさがる

「おばあちゃんっ!」

「フッフッフッ
アリア、お前が駆け寄らなきゃいけねェのは
こっちだろ?」



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