愚かなままで
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ベッドで微睡んでいると
プルプルプルプルと電伝虫が鳴りだす
額にキスをされマルコさんはベッドから降り
電伝虫をとる

「どうした?」

[マルコ!くそ、やられた!]

「なんだよい」

電伝虫からは慌てている声が聞こえてきた
電伝虫を持ったままマルコさんは
部屋から出ていってしまった

しばらくして戻ってくると顔がとても暗い

「マルコさん、どうかしたんですか?」

「サッチが・・・殺された」

「え・・・?」

優しい笑顔を浮かべたサッチさんを思い浮かべ
心臓がギュッと掴まれたように痛い

「嘘ですよね・・・?」

ベッドに座るあたしを抱きしめた
マルコさんは震えているようだった

「本当だよい。
家族に殺された。
ティーチの野郎・・・!許さねェ。」

「ティーチさんが・・・?」

頭が追いつかない言葉を口にしても
理解するのを拒否している
ティーチさんはエースと同じ隊だった
豪快に笑う姿が印象的な人物が
サッチさんを殺すなんて信じられない

「おれは戻らなきゃならないよい。
でも、絶対にお前を迎えくる
それまで辛抱してくれるか?」

小さく頷けば更に力強く抱きしめられる

「アリア、悪い。
愛してるよい。
ここの金は払ってある。
好きなだけいろよい。」

触れるだけのキスをして
マルコさんは部屋を出ていった

幸せだった時間の後に
残酷な出来事は心臓を痛くする

マルコさんが船にいれば防げたかもしれない
自分のせいでサッチさんが死んでしまった

『お前のせいで人が死ぬ』

ドフィの言葉が蘇る

(あたしのせい・・・)

「サッチさん、ごめんなさい・・・。」

涙がポロポロと溢れて
シーツにシミを作った


◇◇◇◇

赤く腫れた目のまま帰ってしまうと
おばあちゃんが心の底から心配してくれた
マルコさんのせいじゃないとわかると
ぎゅっと抱きしめて頭を撫でられる

「そんな若いのに抱え込むんじゃないよ!
まだ子どもだ。甘えてもいいんだよ。」

また涙が溢れ出す
おばあちゃんの胸の中で泣くあたしに
理由を聞かないで頭を撫で続けてくれた


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