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オークションが始まると
ディスコという男が会場を盛り上げる
次々に人が出され買われていき
商品という名の人間達は
皆、絶望の表情を浮かべている

どんどんと人が人へと売られていく

[さぁさぁ、盛り上がって参りました!!!]

入口から新たに人が入ってくるのが見えた

「頭・・・ありゃ確か“麦わらの一味”の・・・」

コソッと見ればナミさんがいた
チョッパーに手配書でみた面々がいた
こちらには気がついていないようだ

「あァ、あの女はさっきもいたな。
麦わらの船長はいねェな・・・
どれ程のバカ野郎かお目にかかりたかったが。
お前へのお礼もあるしなァ?」

体が固まる
きっと食べ物と間違えて
噛まれたことをいっているのだろう

それからも
キッドはオークションを眺めているだけで
特に買う気もないようでほっとしていた

オークションのスタッフ達が
慌てているのに気がついて
こっそりと様子を見ていると
屈強な男が入ってきた
客にペコペコと頭を下げている

「これはチャロス聖様っ!!」

「早く席に案内するえ」

従者を連れて入ってきた男をみて
眉間に皺を寄せてしまう

(天竜人・・・)

昼間ちらりと見ただけだが
好きになれない人種だった

キッドも気がついたのか
コートであたしを覆い隠した

「キッド、か・・・「キャー!」」

帰りたい、と言おうとすると悲鳴があがる
壇上に目を向けると男が倒れていた

「ひっ、」

小さく悲鳴をあげてキッドに身を寄せると
抱き寄せられた

「舌を噛んだだけだ。
ククク、
奴隷にされるくらいなら
死んだ方がマシだな。」

すぐに幕が閉められアナウンスが流れたが
また数分後には幕が開いた
男は綺麗に片付けられていた
そして何も無かったかのように
またオークションは再開する


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