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異様な雰囲気に怖くなり
キッドの上着の中へと身を隠す

キッドの事を見た人達は
ヒソヒソと何か話している

「欲をかいた権力者の純真に比べたら
世の悪党の方がいくらか人道的だ
クズが世界を支配するからクズが生まれる
こんな事もわからねェか
俺達は悪気がある分かわいいもんだなキラー」

「違いない・・・」

「面白ェ奴がいたら買って行こうか・・・」

ハハハ、と笑うキッドの服をギュッと握る
自分以外に奴隷を船に乗せるのだろうか

不安な気持ちに気がついたのかキッドは
上着の中にいるあたしをニヤリとしながら見る

「冗談だ。
せいぜい俺に飽きられねェようにしろよ。」

小さく頷くとそれ以上は何も言わない
キッド腰に手を回し抱きつく姿勢になっている
上の服を着ていないからキッドの体温、匂いを
まじかで感じられ心地いい

「キッドの頭アレを・・・」

「ん?」

ヒートの声がしたのであたしも覗こうとすると
顔を出すことを許さないかのように遮られる

「見た顔だな・・・」

ヒートがなにか喋っているが聞き取れない
たま「トラファルガー・ロー」という名前だけ聞きとれた
お世話になったお礼がいえていないので
お礼を言いたいが
「・・・行儀も悪ィな」苛立った声が
頭の上から聞こえたので
そこから動くことはできなかった

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