敵か味方か
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エースの元へ戻ると食べ物に頭をつっこみ
いつものように寝ていた

ゆさゆさと揺さぶり名前を呼ぶと
勢いよく顔を上げる

「寝てた!」

「・・・知ってる。
もう出てどっかいこうよ。」

「そうだな!ほかのとこのも食ってみてェし!」

会計を済ませて外に出ると
町には白ひげ海賊団の面々が
楽しげに歩いている

女を連れていたり食べていたりと
様々だがそれぞれ楽しんでいるようだ

「アリア、何食う?」

「何もいらない。エースが食べてんの見てる。」

「見て面白いか?」

「うん。エース幸せそうだし、
見てるこっちもなんだか嬉しくなる。」

「アリアは変なやつだな!」

笑うエースにうるさい!と小突く
これがいつものあたし達だ

「おーい!アリア!エース!」

邪魔をする声の主はサッチだ
その横にはイゾウとハルタもいて
3人揃ってニヤニヤとしながら近づいてくる

近寄ってきたサッチは上機嫌だが
こちらは嫌な予感しかしない

「エース!夜はオレらに付き合えよ!」

「美味いもんあんのか?」

「あァ!当たり前だろ!」

涎を垂らしそうな顔は女関係だとピンとくる

「まって、あたしもいく。」

「アリア〜、
男同士の付き合いってのがあるんだよ!」

シッシッと猫を遠ざけるような仕草に
ムッとしてサッチを睨む

「アリアは色街なんか
きてもしょうがねェだろ。」

「そうだよ!それともアリアも
女に興味あるの?」

「ハルタ、違ェよ。
アリアだって女だ。
男のひとりやふたりいるに決まってんだろ。」

「え、アリアって処女でしょ?」

「どうだかなァ?」

「処女ってなんだ?」

本人を無視して進んでいく会話には
イライラするがここで話に乗ってしまえば
根掘り葉掘り聞かれる事が目に見えているので
ぐっと堪えて黙るがエースの
発言には目眩を覚える
とことん性には疎いらしい

サッチがやれやれと呆れながら説明をする

「処女ってのはな、男との経験がねェ女の事だ。
女と寝た経験がない男は童貞ってんだ。」

「へェ・・・!」

「な、エースお前も童貞だろ?
今日こそ、女を知ろうぜ!」

「おれ童貞じゃねェ。」

その発言にはその場にいた全員が
驚きのあまり言葉が出てこない

「お、お前いつの間に寝たんだよ!」

「は?アリアに決まってんだろ。」

「な、なんだと・・・!
アリアの痕もお前が?!」

「痕?」

首を傾げるエース
エースはただ一緒に寝ただけのことを
言っていると分かったハルタとイゾウは
大きい声で笑う

「エース!違ェよ!
寝るだけじゃだめだ!」

「なんだ?」

「あー。びっくりした。
アリアとエースの関係とは違うの!
今日は勉強会だね!」

やっと状況が飲み込めたサッチは
ほっとしたような表情をしていた

「ねェ、勝手に話進めないでよ。
エース、こんな汚い大人の言うことなんて
聞いちゃだめ。」

「おれが美味いもん食わしてやるよ。」

「行く!!」

この場から離れようとするが
イゾウの言葉でエースはあっさりと
3人と色街に行くことを決めてしまった

「善は急げだ。
今から行くぞ!」

サッチとハルタはもうあたしに背を向けていた

「エース!」

「アリア、腹いっぱいだろ?
また明日な!」

ついにエースも動いてしまった
イゾウはポンとあたしの頭に手を置き
身を屈め耳元で囁く

「アリアは、マルコと楽しんどけよ。」

わざとあたしの前でエースを
色街に誘ったと分かると
なんとも言えない怒りが込み上げてきて絶句する

クツクツと笑いながらイゾウも行ってしまい
1人その場で佇んでいた

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