飼い慣らされる
::


「何してんだよい」

視界が暗くなったのは
マルコの手で目隠しをされたらしい
マルコの声を聞くとほっとした
そしていつの間にか耳鳴りも治まっていた

「マルコこそ、何してたの?」

「お前が気にすることじゃないよい」

手を離され周りを見るがもう女は
いなくなっていた

「あの人は、マルコの恋人?」

「そんなわけねェよい。」

眉間に皺を寄せ本当に嫌そうだった
その顔に思わず笑ってしまうと
額を指で弾かれた

「っいたっぁ!」

「エースとデートじゃなかったのかよい。」

おでこを擦りがら唇を尖らす

「デートって・・・。ただ一緒に食事してるだけ。
それに飽きてちょっと探索してるの。」

「大食いのアイツに付き合うのも大変だねい。
まだ時間があるだろい。おれと遊ぶよい。」

「ちょ、っとマルコ!」

手を引っ張られ抵抗もままならないまま
すぐに宿屋の部屋へと連れ込まれる
古びた部屋ではあるが
掃除が行き届き清潔感があった
そしてベッドはダブルサイズ

「ここ、なに?」

「今日泊まる部屋だ。
ずっと船なんてつまんねェだろい。」

この島に3泊ほど滞在すると言っていたが
マルコはこの部屋で過ごすらしい
広いベッドは女でも連れ込む予定なのだろう

「帰る、」

「大人しくしてりゃすぐに終わらしてやるよい。」

ベッドへと押し倒され
腕を頭の上で押さえつけられ
蹴ろうとする脚に割って入られれば為す術もない

「やめ、てっ・・・!」

意地悪く笑い耳元で囁かれる
マルコの匂いが鼻先をくすぐった

「お前を3日間ここに閉じ込めて置きたいが
それは無理だからねい。
昼間は好きにしていいが
夜はここに帰ってこいよい。」

「なんでっ、」

「嫌だって言ったらどうなるか
わかってんだろい?」

「っマルコのばか!」

首筋に唇を落とされ
片方の手が服の中へと入ってくると
すぐに胸の膨らみに触れる
嫌なはずなのに身体は熱を帯びていく

「アリア、ここに戻ってくるなら
今は解放してやるよい。どうする?」

「わか、った。」

呟くと服をめくり挙げられ
胸元をきつく吸われる

やっと腕を解放され
ちらりと胸元を見れば案の定
赤黒い印が付けられていた

「なるべく、早く戻ってこいよい。
おれは今日はどこにも行く気はないからねい。
迎えに行ってやってもいいよい。」

「来なくていい!」

服を直し部屋から飛び出した

マルコの笑う声が聞こえた気がした


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