足りない部分
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「聞いたか?マルコさんの部屋の話!
全然女っ気がないと思ってたが
やっぱ、この船の中にいたんだなー!」

あの一件をそこらじゅうに伝えて回り
モビーではマルコの女は誰だ?!というのが
最近の話題だ

バレてないことだけがよかった
自分からは決してこの話題には触れない

「アリア、最近眠たそうだな。
夜なんかしてんのか?」

目の前でエースが自分の食事は終えたのか
頬杖をつきながらこちらをみている

「・・・何もしてない」

嘘だ
毎晩マルコの部屋にいる
それはつまり毎晩抱かれているということで
気を失うように眠るのが常だった

「しんどくないならいいけどな!
何かあれば言えよ?
お前の隊長はおれだからな!」

「ありがとう。」

優しい言葉は胸にしみるが
あたしとマルコの関係を
知ったらどうなるのだろう?
エースのことだからどうせ
付き合ってると思って
笑顔でおめでとうと言うのだろう

「エース、次の島は一緒に回る?」

「おう!あー!美味いもん食いてェ!」

あと数時間で縄張りの島につく
非番なので自由にできるのだ


◇◇◇◇◇

「アリアー!行くぞ!」

「うん!」

島につくまで珍しくマルコに会わずに
平和に過ごせた

エースに手を引かれ島に上陸する

賑やかな街、
白ひげ海賊団が来ると聞いて歓迎ムードだ

エースは珍しい出店の料理を
片っ端から買い漁りながら
更に食事処も探していた

その姿に笑ってしまう

やっと、食事できる場所を見つけ
大量の料理をたいらげる

「アリア!もう食わねェのか?」

「うん。もうお腹いっぱい。
まだ食べるならあたしちょっと
探索してくるけど。いい?」

「おう、ここにいる。」

口いっぱいに食べ物をつめた
エースに見送られながら店をでる

少し離れた場所にサッチが女を連れて
鼻の下を伸ばしながら歩いている

(ここは娼館もあるんだ)

あとでからかってやろうと思い
少し歩くとマルコがいた

ここは娼館が立ち並ぶ場所
人をあれだけ付き合わせて
まだ足りないというのか

チクリと胸が痛む

その痛みに首を傾げたが
とりあえずマルコの後を追うと
裏口に立つ女に近づいていく
女は煙草を好きながらマルコを睨んでいた

「何しに来たの」

「お前がちゃんといるのかの確認だよい」

どこか見覚えのある女
女の顔をみると頭が痛む

耳鳴りがして話の内容が聞こえない

唐突に視界が暗くなった

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