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外に出る寸前で足を止めることができた

「い、いいの!
大丈夫だから・・・」

声を出したことでほっとしたナミが顔をした

「あんたがよくても私は見てらんないわよ。
ね!ロビン!」

後ろをついてきていたニコ・ロビンは
頬に手をあてこちらを見る

「悪趣味には違いないわね。
私達が出ていくとまた何か問題になるんじゃないかしら?
私なら絶対にこんなことさせないけれど。」

確かにそうだ
だけれど、この2人に
危害が及ぶかもしれない

「あんた、ユースタス・キッドの恋人でしょ?!
こんなこと許しちゃだめよ!」

「・・・ちがう」

あたしの返答に目を丸くしている
恋人なんていう甘い関係は
あたしとキッドの間にはない
あるのは主従関係だけ

「え!?
そんなに身体中に名前彫られてるのに?!」

頷くと2人とも何とも言えない顔をしていた

「それなら尚更、その仕打ちは許せないわ。」

大丈夫、と言おうとするが
身体が引っ張られトイレの入口から
引きずり出された

「遅せェ。」

「キッド、」

「ちょっと、あんたねェ!」

ナミは怯む様子もなくキッドを睨みつける

「あ?」

「その子に首輪なんてつけてどういうつもり?」

「麦わらのとこのクルーか。
こいつは俺のモンだ。
どう扱おうがお前らに関係ねェ。」

鎖を引っ張りあげられ首が締まる

「ぅ、」

思わず声を漏らすとキッドは満足そうに笑い
ナミは拳を握りしめる

「ちょっとっ!!」

「行くぞ」

鎖を引っ張られ咳き込みながら歩く

後ろを振り返るとナミとニコ・ロビンが
眉間に皺を寄せていた

唇を動かし『大丈夫』と伝え
小さく手を振った
その後の2人を見ていられなくて
すぐに前に向き直す


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