惨めになれば
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唇を噛み締めて部屋から走り出す
大きな歓声が聞こえる方へと足を動かした

スタジアムは異常なほどの盛り上がっている
真ん中に設置されている殺し合いの舞台で
1人の少女に男達が挑み
レベッカは傷を負いながらも懸命に闘っている

追ってきた兵を振り切り
客席から舞台へと飛び込む

急に現れた女に会場からは
どよめきが聞こえてきた

男達には気絶で済む程度の衝撃を与えていく

レベッカはこちらを気にしながも
向かってくる男達を倒していく
足元に転がった武器に気が付かず
声をかけようとした瞬間には
レベッカが尻餅をついた姿が見えた

剣を大きく振り下ろす男

地面を蹴りレベッカと男の間に立ち
振り下ろされた剣を身体で受け止める

痛い、と思ったがすぐに男に触れ気絶させた

ようやく全ての兵を倒せ
ほっとすると足から力が抜けて
その場に座り込んでしまった
呆気に取られていたレベッカが駆け寄ってくる

「誰なの?!
怪我は大丈夫?!」

「あたしのは、大丈夫。
貴女も大丈夫?」

傷はすぐに治っていき
噴き出した血も固まっている

「貴女、能力者なの?」

レベッカの質問に答えようとした時に
会場からはレベッカが無事なことに
怒った観客が罵詈雑言を投げかけくる

あどけない少女が傷つくのが見たいのか、と
内心では怒りが湧く

言い返そう立ち上がると
場内アナウンスが流れた

『フフフフフ、おれの女、アリアが
乱入しちまってすまなかった。』

ドフラミンゴの女と聞いた瞬間
会場は静まり返る

レベッカの顔から表情が消えていく

『この国に来たばかりで歴史を知らねェ。
憐れな少女が傷つけれていると
思い飛び出しちまった心の優しい女だ。
許してやってくれ。』

怒り狂っていた観衆はドフィの言葉を信じて
皆穏やかになっていく、レベッカを除いて

「レベッカ」

差し出した手を弾かれる

「触らないで!情なんていらない!」

悲しくなった助けたいと思うのはいけなかったのか
レベッカはさっさっと舞台から降りてしまった

残されたあたしを兵士が慌てた様子で
マントを持って走ってきた

切られたことで衣服が敗れて
霰もない姿だったことに気がついた

素直にマントを受け取り体にかけ
兵士に促されるまま舞台から降りた




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