意味さえも
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なんとなく歩いていると
見覚えのある後ろ姿が見えた

周りに誰もいないことを確認して
キュロスはへと駆け寄る

「キュロス!」

振り向いたキュロスは驚いたように
ピョンッと跳ねる

「おお!アリアさん!
お久しぶりですな!」

ギュッと抱きしめた
冷たくて硬い玩具
でも彼も人間だったのだ

「貴方と話がしたかったの。
あたし、この国の話を聞いた。
貴方も人間だったのね・・・。」

「過去の話・・・。
今はただの玩具の兵隊です。」

宥めるように背中をポンポンと肩を叩いてくれる

「ドフィがこの国にしたことは、
とても酷いことだと思う。
この国の玩具は私たちに逆らわない。
なのにキュロスは逃げれている。
貴方は一体何者なの?」

「・・・今はお教えできません。
いつか、また。機会があれば。
事実を知って私といるところを
ドフラミンゴに見られてはまずいですぞ!」

タン、と地面を蹴りすぐに身体ははなれてしまう

「まって、貴方の話を聞きたいの!」

「私の話など面白くもない。
アリア、貴女は囚われずに
自分の好きなように進みなさい!」

待って、という言葉を聞かずに
すぐにどこかへといってしまった

きっと、あたしが処刑しているのも
知っているはずだ
警戒されてしまってるのだろう

ため息をついて立ち上がる
すぐにドフィの元へと戻らなければ

キュロスが物陰からこちらを
伺っていたことなど気が付きもしなかった


◇◇◇◇◇

「ただいま・・・」

「遅かったじゃねェか。
道でも迷ったか?」

大きな手が傍に来るようにと
催促するように伸ばされる
その手をとり当たり前のように
ドフィの膝へと座らされる

「・・・大丈夫よ。
今日はどういう試合なの?」

「あァ、面白い人間が手に入ってな。
それのお披露目だ。」

「面白い人間...?」

大砲を鳴らしたような大きな音が
コロシアムからした

『本日から、なんと!
憎きリク王の孫娘レベッカが
剣闘士としてこのコロシアムに
参加いたします!!』

防具に身を包み出てきた少女
会場からは罵声とブーイグが飛び交う
その空気をものともせずに凛としている

「ドフィ、あの子いくつなの?」

「14〜16だった気がするが。
捕獲に向かわせた兵を
返り討ちにもしていてた強者だ。
心配しなくてもすぐには死なねェよ。」

10人の男達と少女
10対1なんてあんまりだ
抗議しようとした瞬間
開始の合図が鳴る

「ドフィ!止めて!」

「観客がこんなに喜んでるんだぞ?
お前も楽しめ」

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